スカンディナヴィア通貨同盟

スカンディナヴィア通貨同盟の概要

スカンディナヴィア通貨同盟は、1873年5月5日にスウェーデンとデンマークの間で締結された通貨同盟です。この同盟により、両国の通貨は金に固定されました。その後、スウェーデンと同君連合を形成していたノルウェーも2年後にこの同盟に参加しました。この通貨同盟は、スカンディナヴィア地域における汎スカンディナヴィア主義の数少ない成功例の一つとして知られています。

通貨の固定

同盟における通貨の固定レートは、2.48クローネ（クローナ）/金1グラム、あるいは金0.403グラム/クローネでした。このレートに基づき、3か国の通貨単位は以下のように等価とされました。

1クローネ（クローナ）
1/2デンマークリクスダラー
1/4ノルウェーターラー
1スウェーデンリクスダラー

この固定相場制により、3国間での為替レート変動のリスクは解消されましたが、実際には各国がそれぞれ独自の通貨を発行し続けるという、当初予期されていなかった状況が生じました。これは、各国の通貨が事実上の法定通貨として機能していたことによります。

通貨名称の変更

この通貨同盟の発足を機に、スウェーデンではそれまで用いられていたスウェーデンリクスダラーからスウェーデン・クローナへと通貨の名称が変更されました。クローネ（krone）またはクローナ（krona）という名称は「冠」に由来し、綴りの違いは北ゲルマン語群における言語変化によるものです。

同盟の終焉

1905年にノルウェーがスウェーデンとの同君連合を解消して独立した後も、この通貨同盟は継続されました。しかし、1914年に第一次世界大戦が勃発すると、同盟は終焉を迎えることになります。スウェーデンは1914年8月2日に金本位制から離脱し、変動相場制へと移行しました。これにより、通貨同盟の枠組みは崩壊し、各国通貨間の連動性も失われました。

同盟後の影響

通貨同盟期間中、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの3国は実質的に共通の通貨を利用していましたが、同盟解消後は各通貨の連動がなくなりました。1918年にデンマークから同君連合として独立したアイスランドでは、デンマーク・クローネから派生したアイスランド・クローナが導入されました。その後、1944年にアイスランドはデンマークから共和国として独立しています。

まとめ

スカンディナヴィア通貨同盟は、19世紀後半のスカンディナヴィア諸国間の経済統合を促進する上で重要な役割を果たしました。しかし、第一次世界大戦の勃発により、その短い歴史に幕を閉じました。同盟は、その後のスカンディナヴィア地域の経済発展や通貨政策に影響を与えた重要な出来事でした。

関連項目

通貨同盟
ラテン通貨同盟

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