スキロス島

スキロス島は、エーゲ海に位置するスポラデス諸島の最南東端に位置するギリシャ領の島です。面積は約209平方キロメートルで、スポラデス諸島の中では最大の島です。人口は約3,000人であり、自然豊かな景観と古代からの歴史が調和した魅力的な島として知られています。

地理

島の北部は緑豊かな森に覆われており、島の最高峰であるオリンポス山（標高792m）がそびえ立っています。ただし、この山はオリュンポス十二神が住むとされる有名なオリンポス山とは別の山です。一方、南部は岩がちなKochila山が広がっています。島の中心集落は島と同じスキロス（地元ではChoraとも呼ばれる）で、主要な港は西海岸のリナリアに位置しています。

スキロス島には、歴史的な見どころも豊富です。ヴェネツィア共和国の占領時代（13世紀から15世紀）に築かれた城（kastro）や、東ローマ帝国時代（952年）に建てられた聖ゲオルギウス修道院（Ai Giorgis Skirianos）などが残っています。また、Tris Boukes港にはイギリスの詩人ルパート・ブルックの墓があり、Palamariには青銅器時代の考古学的遺跡が残っています。海岸線には美しい砂浜が点在し、観光客を魅了しています。

スキロス島には、スキロスポニー（スキリアンポニー）という固有種の小型の馬が生息しており、この島を特徴づける存在となっています。

歴史

紀元前2000年頃からしばらくの間、スキロス島は「マグネシア人の島」として知られていました。その後、ペラスゴイ人、ドロピア人、そしてスキロス人がこの島に住み着きました。

ギリシア神話においては、英雄テーセウスがこのスキロス島で亡くなったと伝えられています。紀元前475年、アテナイの将軍キモンがドロピア人を打ち破り、島全体を征服しました。元の住民は奴隷とされ、代わりにアテナイからの入植者が島に移り住みました。その後、スキロス島はデロス同盟の一部となり、アテナイ帝国の支配下に入りました。キモンはテーセウスの遺骨を発見したと主張し、それをアテナイに持ち帰ったとされています。

紀元前340年にはマケドニア人がスキロス島を占領し、その支配は紀元前192年にローマ帝国軍がピリッポス5世を破り、アテナイに返還するまで続きました。

行政

スキロス市（Δήμος Σκύρου）は、中央ギリシャ地方のエヴィア県に属する基礎自治体です。スキロス島の他に、ヴァラクサ島、スキロプラ島、サラキノ島などの周辺の小島嶼（いずれも無人島）も市域に含みます。

交通

スキロス島には、スキロス島国際空港があり、空路でのアクセスが可能です。また、エヴィア島のキミからはフェリーが運航しており、海路でのアクセスも可能です。

スキロス島は、豊かな自然、古代からの歴史、そして独特の文化が融合した魅力的な島です。エーゲ海の美しい景色の中で、静かで穏やかな時間を過ごしたい方におすすめの場所です。

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