紀元前340年

紀元前340年の世界

紀元前340年は、古代世界において重要な転換期となった年です。各地域で政治的、軍事的な変動が相次ぎ、後の歴史に大きな影響を与える出来事が数多く発生しました。この年、各地でどのような動きがあったのかを詳しく見ていきましょう。

ペルシア

ロドス島がアケメネス朝ペルシアによって陥落しました。この出来事は、ペルシアの勢力がエーゲ海にまで及んでいたことを示しています。

ギリシア

ピリッポス2世は、ペリントスとビザンティウムを攻撃しました。しかし、ペルシアのアルタクセルクセス3世がこれらの都市に援軍を送ったため、ピリッポス2世はビザンティウムの攻城戦で敗北しました。その後、ピリッポス2世はドナウ川河口付近のスキタイの攻撃に対応せざるを得なくなりました。彼の息子であるアレクサンドロス3世は、父がビザンティウムやスキタイと戦っている間、摂政を務めました。ビザンティウムの攻城戦が失敗した後、アテナイの住民はデモステネスに感謝の決議をしました。

シチリア

レンティーニの僭主であるヒケタスは、カルタゴに対してリルバイウムに到着した大軍をシチリアへ送るよう再度説得しました。シラクサのティモレオンは、カルタゴの大軍とシチリア西部のクリミスス川で戦い、劣勢ながらも勝利を収めました。しかし、カルタゴ軍はシチリア西部を占領し続けており、条約によってその範囲はHalycus（Platani）川以西に限定されました。

共和政ローマ

ラティウム人の大使が元老院に送られ、共和政ローマとラティウム人で一つの共和国を構成するよう求めました。ラティウム人は、自分たちがローマに匹敵すると考えていたためです。しかし、ローマはラティウム同盟のリーダーとしての立場を維持しようとしたため、ラティウム人が同等の政治力を持つことやローマの元老院に入ることを拒否しました。この結果、第二次ラティウム戦争が始まりました。ラティウムはカンパニアとともに戦い、一方、ローマはサムニウムと同盟を結びラティウムを攻撃しました。ラティウム内のラウレンテス族とカンパニア内のエクィテスは、パエリグニ族の支援を受けてローマ側につきました。ローマは、サムニウムへの恐怖を利用してカンパニア軍とラティウム同盟軍の分断に成功し、カンパニアに単独講和を促しました。その結果、カプアやクーマエを含むカンパニアの3都市にローマ市民権が認められ、ローマの影響力がナポリ湾まで拡大しました。

中国

秦の商鞅が魏へ侵攻し、自ら兵を率いて討伐しました（呉城の役）。彼はかつての親友であった魏の総大将公子卬を欺いて捕虜にし、黄河以西の土地を奪いました。魏の恵王は、「あの時、公叔痤の言葉に従わなかったためにこのような事態になった」と大いに後悔したと伝えられています。この功績により、公孫鞅は商・於という土地の15邑に封ぜられ、商鞅と呼ばれるようになりました。また、斉と趙が博望で会合し、魏を攻撃しました。楚では宣王が死去し、子の威王が即位しました。

その他の出来事

この年には、以下の重要な人物の誕生と死がありました。

誕生
アッピウス・クラウディウス・カエクス：共和政ローマ期の政治家
死去
ロドスのメントル：ギリシアの傭兵長
宣王：楚の君主
ヒュッカラのライス：ギリシアの高級娼婦


紀元前340年は、各地で権力闘争や領土拡張が繰り広げられ、後の歴史に大きな影響を与えた年でした。これらの出来事は、古代世界の複雑な政治状況を理解する上で重要な要素となります。

もう一度検索