スキージャンプ・ペアは、真島理一郎氏によって創造されたデジタル
アニメーション作品、およびその中で展開される架空のスポーツです。2人の選手が1組のスキー板に乗り、空中で抱き合うなど、現実にはありえないアクロバティックな技を繰り広げる、ユニークな競技を描いています。
作品概要
この作品は、インターネットでの動画配信をきっかけに爆発的な人気を博し、世界各国の映画祭で上映されました。その後、
DVDソフトも販売され、2巻合計で72万枚を売り上げる大ヒットを記録しました。これは、個人制作のCG作品としては異例の成功と言えるでしょう。
作品誕生の経緯
映像作家である真島理一郎氏が、
デジタルハリウッドの卒業制作としてこの作品を制作しました。映像だけでなく、競技誕生までの歴史や世界観も、この時点でほぼ完成していたと言われています。
2006年には、競技パート以外の部分を実写で撮影した映画版も公開されています。
競技詳細
スキージャンプ・ペアは、従来の
スキージャンプと同じジャンプ台を使用しますが、公式戦はラージヒルのみで行われます。専用のスキー板には、2組のビンディングが取り付けられており、選手は飛行中に片足、あるいは両足を板から離すことも可能です。飛距離点と飛型点の合計で競いますが、飛型点がより重視される点が特徴です。
フロントジャンパーとバックジャンパーのどちらかが板に足を固定していればよく、着地時に足を固定していない選手が転倒しても減点されません。また、3歳未満の選手の
甥っ子が特別なルールで使用できるというユニークな規定も存在します。
競技の歴史
この競技は、
北海道旭川市出身の物理学者、原田敏文氏が1994年に発表した「特殊飛行体分裂論(ランデブー理論)」から生まれました。この理論によれば、2人でジャンプした方がより安定し、遠くまで飛ぶことが可能になるとされています。原田博士の息子たちがこの研究に協力し、1998年に人類初の有人ペア飛行に成功しました。
当初、国際
スキージャンプ連盟(FIJ)は、この競技を危険として認めませんでしたが、原田一家の熱意が実り、2000年には第1回ワールドカップが開催され、
2006年にはトリノオリンピックの正式種目に採用されるに至りました。
主要な選手たち
日本
原田昭則・原田道則: 原田博士の双子の息子。ワールドカップ連覇を果たすも、昭則は事故で急逝。
大石一彦: 原田兄弟の後輩で、道則の新たなパートナー。
原田洋平: 道則の甥っ子で、トリノオリンピック決勝で乱入し、原田・大石ペアを勝利に導きました。後に、3歳未満の甥っ子の使用がルール化されました。
力石つとる・下まもる: 若手選手で、ノリピン選手としても活躍。
フィンランド
ミカ・カウリスマキ・アキ・カウリスマキ: パン屋の双子で、「トーテム」という技を開発。
ノルウェー
クリスチャン・インゲブリキットセン・ヘニング・ヨケルソイ: 古参ペアで、敬虔な
キリスト教徒。
ドイツ
ステファン・ヴィドヘルツル・マルティン・ホッケ: ヴィドヘルツルはソロ・ジャンプの名選手。「ベルリン」を開発。
スイス
マルコ・アマン・シモン・フライホルツ: 初期に活躍したペア。「トライアングル」を開発しましたが、競技中に消息を絶つという事件が発生しました。
オーストラリア
トマス・アルボーン・ジョージ・アームストロング: 若手人気選手で、癒し系ジャンプを得意としています。
アメリカ
ジェフ・イェークリー・タイラー・アーサーズ: アクロバティックな技を得意とするペアで、私生活では仲が悪いという設定です。
カルキンJr.: ジェフの甥っ子で、悪ガキとして登場。
ヒロシ・エイドリアン・アンディ・トーマス: 元ジェフ&タイラーの運転手で、筋肉自慢のペア。
ロシア
ディミトリ・コベレフ・ヴァレリー・ボギンスカヤ: 漁師のペア。
イギリス
スティーブン・クエイ・ティモシー・クエイ: 双子の選手で、着地後のシェイクを始めた。
オーストリア
アンドレアス・ホルンガッハー: ツインVにこだわる選手。「ドクター・ツインV」と呼ばれる。
ステファン・ゴルトベルガー: 離れ技に憧れを抱き、ホルンガッハーと対立する場面も。
カナダ
リチャード・カーン・リチャード・B・ジェイムス: 猥褻な技で公開禁止処分を受けたペア。
クイ・シンバレイ・ハミ・ガンケ: 留学中に無理やり参加させられたペア。顔の一部を使った技を得意とする。
多彩な技の数々
スキージャンプ・ペアには、様々なユニークな技が存在します。初期の技は現実的なリアリティがありましたが、一般公募によって実現不可能な技も登場しました。
基本の技
二人V字飛び(ツインV): 最も基本的な技。
前方離脱系の技
前方離脱脚前挙(ベルリン): フロントがスキー板を離れ、両手で体を支える技。
前方離脱膝上支持(トーテム): フロントがバックの膝に足を載せて前傾する技。
トライアングル: フロントジャンパーが板の先端を結ぶように体を横たえ、三角形を形作る技。しかし、アマン・フライホルツペアが競技中に消息を絶ったため、公開禁止技となっています。
捕獲系の技
イーグル: バックがフロントをぶら下げる基本技。
インペリアル・イーグル: バックがフロントのゼッケンを持ってぶら下げる技。
プロジェクト・イーグル: フロントが離脱し、バックが空中で捕獲する技。
ウミネコ: バックがフロントの脚を持って逆さ吊りにする技。
前方離脱十字懸垂キリスト信仰(ジーザス): フロントがキリスト像のポーズをとる技。
コアラ: フロントがバックにしがみつく、癒し系の技。
プリンセス: バックがフロントをお姫様抱っこする技。
オー! ベイビー!: フロントの膝裏を持って抱き上げ、おむつのような状態で飛行する技。猥褻であるとして公開禁止指定。
タイタニック: バックが離脱したフロントの腰を抱きかかえ、フロントが両腕を広げる技。
アルマゲドン: タイタニックの体勢からバックがフロントの上にタイミングよく着地する技。
ドラ: フロントが板から離れ、バックがフロントの頭を持って倒立し、そのまま水平に回転する技。
後方離脱系の技
ロデオ: バックがフロントの腰に跨り、フロントは腰を振ってバックを振り落とそうとする技。
相互離脱系の技
相互離脱片手支持(スーパーV): 二人がそれぞれ片足を板から離し、手を繋いで大きく横に広がる技。
スーパーW: スーパーVの状態で、2人の間に別の人が挟まり3人で飛ぶ技。
プラズマV: スーパーVから錐揉み状に回転する技。
メゾネット: フロントがバックの頭の上に乗り、バランスを取りながら飛行する技。
ダーツ: バックが板の上に腹這いになり、フロントが板ごとバックを持ち上げて投げ飛ばす技。
その他の技
コサック: 板の上で
コサックダンスを踊る技。
くいしばれ!: 板を咥えて飛行する技。
ソロジャンプ: ソロジャンプの様に、ペアではなく一人で飛ぶ技。
満員電車: 多数の選手が一組の板に乗って飛行する技。
不思議な現象
スキージャンプ・ペアの競技中には、時空間の歪みが発生する事があるようです。選手が消失したり、過去のムックに未来の事象が記載されていたり、選手とは異なる人物が現れたりする現象が報告されています。これらの現象は「ランデブー理論」によって説明できると考えられています。
多様なメディア展開
スキージャンプ ラージヒル・ペア(
2002年)
スキージャンプ・ペア2(2004年)
スキージャンプ・ペア8(
2005年)
スキージャンプ・ペア コンプリートBOX(2005年)
映画
スキージャンプ・ペア Road to TORINO 2006(
2006年)
パチンコ
CRスキージャンプ・ペア(2006年)
CR
スキージャンプ・ペア2 EX(2013年)
ゲーム
スキージャンプ・ペア-リローデッド-(PlayStation 2, 2006年)
スキージャンプ・ペア2EX TheGame(Android, 2012年)
その他
HALCALIのDVDにスキージャンプ・ペアの映像が収録されています。
オートバックスのCMに映像が使用されました。
ミュゥモで着ムービーが配信されました。
脳内エステ IQサプリで映像が使用されました。
* リーバイスの
バイラルCMの映像が
DVDに収録されました。
スキージャンプ・ペアは、そのユニークな競技性と世界観により、多くのファンを魅了し続けています。