スコット・スカイルズ

スコット・スカイルズ：記録保持者から名指導者へ

スコット・アレン・スカイルズ（Scott Allen Skiles, 1964年3月5日 - ）は、アメリカ合衆国インディアナ州出身の元プロバスケットボール選手であり、現在は指導者として活躍しています。彼はNBAにおける1試合最多アシスト記録(30)の保持者として、その名をバスケットボール史に刻んでいます。

選手としてのキャリア

ミシガン州立大学でプレイした後、1986年のNBAドラフトでミルウォーキー・バックスから1巡目22位で指名され、NBA入りを果たしました。ルーキーシーズンは出場機会に恵まれず、平均3.8得点、3.5アシストにとどまりましたが、翌シーズンからインディアナ・ペイサーズに移籍し、徐々に出場時間を増やしていきました。

オーランド・マジック時代

1989年、エクスパンションドラフトでオーランド・マジックに指名され、転機が訪れます。マジック移籍後、スカイルズは才能を開花させ、1990-1991シーズンには平均17.2得点、8.4アシストを記録し、MIP（最も成長した選手賞）に選ばれました。また、同シーズンのデンバー・ナゲッツ戦で、NBA記録となる30アシストを達成。この記録は現在も破られていません。

マジック退団後

マジック退団後は、ワシントン・ブレッツ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズを経て、ギリシャリーグのPAOKテッサロニキでプレイしました。PAOKでは、怪我やコーチとのトラブルに見舞われましたが、コーチ解任後は選手兼任コーチとしてチームを率い、翌年のユーロリーグ予選出場権を獲得しました。

指導者としてのキャリア

1997年、フェニックス・サンズのアシスタントコーチに就任し、指導者としてのキャリアをスタートさせました。1999-2000シーズン途中にはヘッドコーチに昇格し、チームをプレーオフに導きました。その後、シカゴ・ブルズ、ミルウォーキー・バックス、オーランド・マジックでヘッドコーチを務めました。

シカゴ・ブルズ時代

2003年、シカゴ・ブルズのヘッドコーチに就任。低迷していたチームのディフェンスを立て直し、相手フィールドゴール成功率をリーグトップに抑えるなど、チームを強豪へと変貌させました。2005年にはイースタン・カンファレンスの月間最優秀コーチに選ばれるなど、その手腕は高く評価されました。

ミルウォーキー・バックス時代

2008年、ミルウォーキー・バックスのヘッドコーチに就任。中心選手の怪我に苦しみながらも、チームをプレーオフに導きました。しかし、2013年に解任されています。

オーランド・マジック時代

2015年、オーランド・マジックのヘッドコーチに再任。チームを35勝まで引き上げましたが、2016年に辞任しました。

プレイスタイルと評価

スカイルズは、正確なパスと高いバスケットボールIQを武器に、ゲームをコントロールするポイントガードでした。また、ディフェンスにも定評があり、相手の攻撃を封じ込めることに長けていました。指導者としては、ディフェンス重視の戦術を採用し、チームの組織力を高めることに力を注ぎました。

エピソード

現役時代には、シャキール・オニールと取っ組み合いの喧嘩をしたことでも知られています。また、ヘッドコーチとして指揮したチームでは、選手とのコミュニケーション不足が指摘されることもありました。

スコット・スカイルズは、選手としても指導者としても、バスケットボール界に大きな足跡を残した人物です。彼の記録と功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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