スズキ・エリオ

スズキ エリオ：居住性と使い勝手を追求したハッチバック＆セダン

スズキ エリオは、2001年から2007年にかけて製造・販売された、ハッチバックとセダンタイプの乗用車です。ミニバンの居住性とワゴンの使い勝手を融合させた5ドアハッチバックとして登場し、その後セダンモデルも追加されました。

開発と特徴

エリオは、全く新しいプラットフォームを採用し、1.5Lと1.8LのDOHCガソリンエンジンを搭載。北米向けには2.3Lエンジンも用意されました。トランスミッションはATに加え、当初はMTも設定され、駆動方式はFFと4WDがラインナップされていました。

1.8Lモデルは、シートヒーターなどの専用装備で1.5Lモデルと差別化が図られていましたが、外観上の違いはホイールアーチモールの有無程度でした。このモールの厚みにより、1.8Lモデルは3ナンバー車となり、1.5Lモデルは5ナンバー車となっていました。なお、1.8Lのセダンはスズキ初の3ナンバーセダンとなりました。

販売と市場

エリオは、広い居住性からファミリー層を中心に注目を集め、当時のスズキの普通車としては好調な販売実績を記録しました。しかし、150万円台からという低価格設定にもかかわらず、ハッチバックモデルはクロスオーバーSUVのような外観が受け入れられず、セダンモデルは市場の終末期であったこと、また、スズキ=軽自動車というイメージが強かったことから、販売は低迷し、一代限りで生産終了となりました。

初代モデル（RA/B21S/C/D51S型：2001年～2007年）

• - 2001年1月：カルタスとカルタスクレセントの後継車として5ドアハッチバックモデルが登場。左右対称のインパネが特徴的でした。
• - 2001年11月：4ドアセダンモデルが追加され、「エリオセダン」として販売されました。
• - 2002年：マイナーチェンジを実施。
• - 2003年11月：マイナーチェンジ。内装変更、メーターがデジタルからアナログへ変更。1.5Lモデルのエクステリアも変更。
• - 2004年7月：マイナーチェンジ。1.8Lモデルのエクステリアを変更。CMでは沢田研二の『TOKIO』の替え歌が使用されました。
• - 2006年5月：5ドアハッチバックの生産が終了し、在庫対応のみの販売となりました。
• - 2006年6月：ハッチバックモデルは、後継車であるSX4の登場により販売終了。
• - 2007年4月：セダンモデルも生産終了となり、在庫対応のみの販売。
• - 2007年7月：セダンモデルが販売終了。後継車はSX4セダンです。

モータースポーツ

エリオには、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに出場するためのスペシャルモデルが存在しました。外観はエリオですが、中身は軽量なパイプフレームシャシーに1,000馬力級エンジンを搭載したモンスターマシンでした。

2001年には、田嶋伸博がエリオでパイクスピークに挑戦しましたが、マシントラブルでリタイア。2003年には、ニュージーランドで開催された「レース トゥ ザ スカイ」で、改良された「スズキ・エリオ・ヒルクライムスペシャル」が総合優勝を果たしました。

その他

• - 静岡県牧之原市では、市長車としてエリオが使用されていました。
• - スズキの鈴木修会長の専用車として、過去にエリオセダンが使用されていました。
• - BBCの自動車番組『トップ・ギア』では、タイムアタック用の車として、エリオの欧州名であるリアーナが使用されていました。

車名の由来

• - エリオ：Air（空気）とRio（川）からの造語で、広々とした居住空間とスムーズな走りをイメージしています。
• - リアーナ：Life In A New Ageの略です。

関連項目

• - スズキ
• - スズキ・カルタス
• - スズキ・SX4
• - スズキ・M型エンジン
• - スズキ・H型エンジン

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