スターリツァ

スターリツァ：ヴォルガ川沿いの歴史と美が息づく町

スターリツァは、トヴェリ州に位置し、ヴォルガ川とスターリツァ川が合流する地点に開けた歴史的な町です。人口は約7000人で、トヴェリから南西へ約77kmの距離にあります。モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ幹線鉄道の支線が近くを通っています。

大理石の町並みと地下迷宮

ヴォルガ川によって町は二分されており、左岸には主要な市街地が、右岸にはモスクワ寄りの小さな市街地が広がっています。この地域では、18世紀から19世紀にかけて大理石の採掘が盛んに行われ、その跡地が巨大な地下迷宮のような状態になっています。町の建物にも大理石が多用され、独特の景観を形作っています。

歴史的建造物群

右岸には、中世の町の遺構として土塁や城壁が残っています。左岸には、1530年に建立された生神女就寝修道院の白い大理石の聖堂や、18世紀から19世紀にかけて建てられた聖堂群がそびえ立っています。

聖ボリスとグレブ大聖堂は、1805年から1820年にかけて建設された新古典主義建築の壮麗な建物です。かつてこの場所には、モスクワの聖ワシリイ大聖堂を手がけた職人たちが1560年代に建てた聖堂があり、ロシア建築の奇跡と称えられていました。イヴァン雷帝とスターリツァ公ウラジーミルが兄弟であったように、モスクワの聖ワシリイ大聖堂とスターリツァの聖堂は姉妹のような存在だったとも言われています。

スターリツァの産業

スターリツァの主な産業は、織物業、亜麻の加工業、機械工業、野菜を活かした食品工業などです。

歴史

スターリツァは、1297年に「ゴロドク」（小さな町）という名で設立されました。1365年には、ヴォルガ川右岸の高台から左岸の低地へと移転し、「ノーヴィイ・ゴロドク」（新しいゴロドク）と呼ばれるようになりました。

15世紀以降、「スターリツァ」（以前の川床）という名で呼ばれるようになりました。しかし、「スターリツァ」には「老婆」という意味もあるため、紋章には誤って老いた尼僧の絵が描かれることになりました。かつて強国だったトヴェリ公国の支配下にあったスターリツァは、1485年にモスクワ大公国に併合されました。

16世紀初頭、イヴァン3世の息子アンドレイがスターリツァ公となり、その息子ウラジーミルに受け継がれました。彼らの時代にスターリツァは黄金時代を迎えました。しかし、イヴァン4世（雷帝）は、ウラジーミルが陰謀を企てていると思い込み、ウラジーミルとその息子たちを毒殺しました。ウラジーミルの時代の繁栄ぶりは、生神女就寝修道院に見ることができます。

1775年には郡の中心地となりました。第二次世界大戦中には、1941年10月から1942年1月までドイツ軍に占領されました。

スターリツァは、その美しい景観と豊かな歴史を通じて、訪れる人々を魅了し続けています。

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