スティエパン・トマシェヴィチ (ボスニア王)

スティエパン・トマシェヴィチ：ボスニア王国最後の王

スティエパン・トマシェヴィチ（1463年没）は、ボスニア王国のコトロマニッチ王朝の最後の王であり、セルビア専制公でもありました。彼の短い統治は、オスマン帝国の侵攻とボスニア王国の滅亡によって特徴づけられます。

生涯

セルビア専制公

スティエパン・トマシェヴィチは、父スティエパン・トマシュの政策により、セルビア専制公ラザル・ブランコヴィチの娘イェレナと結婚しました。これにより、彼は1459年にセルビア専制公の地位を得ましたが、セルビア正教徒からの支持は得られませんでした。オスマン帝国のスメデレヴォ包囲により降伏し、セルビア専制公国は滅亡しました。

ボスニア王

1461年、父の死後ボスニア王位を継承しました。教皇から王冠を授けられた最初のボスニア王でしたが、オスマン帝国の圧力は増大していました。貴族たちは対オスマン戦争を支持しましたが、一般民衆の支持は得られませんでした。彼は教皇との関係を維持しようと努めましたが、西欧諸国からの支援は得られませんでした。

オスマン帝国の侵攻と死

スティエパン・トマシェヴィチは、ハンガリーの支援を期待してオスマン帝国への貢納を停止しましたが、1463年にメフメト2世の侵攻を受けました。抵抗はほとんどなく、彼は捕らえられ斬首され、ボスニア王国は滅亡し、オスマン帝国の支配下に入りました。

家族と幼少期

スティエパン・トマシェヴィチは、トマシュとヴォヤチャの間に生まれました。父トマシュはボスニア教会に属していましたが、後にカトリックに改宗しました。スティエパン・トマシェヴィチ自身もカトリックとして洗礼を受けました。

結婚

父トマシュは、スティエパン・トマシェヴィチの結婚を通じて勢力拡大を図りました。当初はクロアチアの貴族女性との結婚を試みましたが失敗し、ミラノ公国との同盟も頓挫しました。最終的に、セルビア専制公女イェレナと結婚し、セルビアの支配権を得ることを目指しました。

セルビア専制公として

1459年、セルビア専制公として戴冠しましたが、セルビア正教徒からの支持は得られませんでした。オスマン帝国の侵攻によりスメデレヴォを包囲され、降伏しました。この結果、セルビア専制公国は滅亡し、彼はボスニアへ亡命しました。

ボスニア国王として

王位継承と戴冠

1461年、父の死後ボスニア王位を継承し、教皇の特使から王冠を授けられました。彼は王国内の不和を解消し、経済の振興に努めましたが、クロアチアとの国境紛争も発生しました。

オスマン帝国の侵攻

オスマン帝国の侵攻に備え、キリスト教国に援軍を求めましたが、支援は得られませんでした。彼はオスマン帝国への貢納を停止し、抵抗を試みましたが、1463年にメフメト2世の侵攻を受け、捕らえられました。

捕縛と死

スティエパン・トマシェヴィチは、クリュチでオスマン軍に捕らえられ、ヤイツェで斬首されました。彼の死により、ボスニア王国は滅亡し、オスマン帝国の支配下に入りました。

死後と影響

スティエパン・トマシェヴィチの死は、ヨーロッパ諸国に衝撃を与えました。彼の異母弟妹はイスラム教に改宗し、母カタリナは王国再興を試みましたが失敗しました。1888年、彼の遺骨とされるものが発掘され、ヤイツェの修道院に安置されました。

スティエパン・トマシェヴィチの短い統治は、ボスニア王国の終焉を象徴する出来事でした。彼の決断と行動は、その後のボスニアの歴史に大きな影響を与えました。

参考文献

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関連項目

ステファン (敬称)
オスマン帝国のボスニア・ヘルツェゴビナ征服
ブランコヴィチ家
ボスニア教会

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