ステハリ

ステハリ（ギリシア語: στιχάριον, ロシア語: стихарь, 英語: sticharion, stichar）は、正教会の奉神礼において、教衆（教役者）が着用する祭服の一つです。日本の正教会では、祈祷書などで「祭衣」と漢字で表記されることもありますが、日常会話ではあまり用いられません。

ステハリは、至聖所（祭壇のある場所）で奉仕する教衆が最初に身に着ける祭服です。輔祭、堂役、誦経者といった教衆が着用するステハリは、外部に露出しているため、着用しているかどうかは一目で分かります。しかし、主教や司祭も、祭服を全て着用する際には、薄地のステハリ（祭袍下着とも呼ばれる）を内側に着用します。

ステハリの着用は、教衆が自らを清めるだけでなく、神の恩寵によって清められて初めて聖務に携わることができるということを示しています。また、教衆が神の意志に同意し、天使の役割を担っていることも象徴しています。

会衆に対しては、目には見えない聖神゜（聖霊）の働きが実際に存在することを知らせ、ステハリを着用する者に対しては、奉事に携わる上で特別な神の恩寵と守護が与えられていることを自覚させる役割があります。さらに、ステハリは洗礼の際に着用する洗礼着を想起させる意味合いも持ち合わせています。

ステハリの色は、初期には教衆の潔白を表すために白色や銀色が用いられていました。しかし、奉神礼の年間行事が整備されるにつれて、それぞれの祭典や斎戒（ものいみ）に適した色分けがなされるようになりました。例えば、祭典では鮮やかな色が用いられ、斎戒の時期には落ち着いた色が用いられるなど、時期や目的に応じた色で使い分けられます。

ステハリは、教衆の奉仕における重要な役割を象徴するだけでなく、正教会の信仰を視覚的に表現する上でも欠かせない祭服です。その着用は、教衆だけでなく、教会の信仰共同体全体にとっても深い意味を持っています。

関連事項

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ミトラ (宝冠)

出典

正教会の祭服 その意味と機能 - 外部リンク
* 祭服 - 日本正教会公式サイト'>1、祭衣(ステハリ) - 外部リンク

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