スパッスク＝ダリニー

スパッスク＝ダリニー

概要

スパッスク＝ダリニー（ロシア語: Спасск-Дальний）は、ロシア極東部の沿海地方に位置し、1785年に設立された都市です。2021年の時点での人口は35,732人です。この都市は、中露国境に近く、ハンカ湖の東岸に広がる平野に位置しています。地形は穏やかな傾斜が特徴で、150mから220mの高さの小丘が散在しています。市内を流れるスパッソフカ川とクレショフカ川は、20km北西でハンカ湖に合流しています。

スパッスク＝ダリニーは、ウラジオストクから北に約200km離れ、シベリア鉄道沿線にあり、重要な交通拠点となっています。この地点は、ウラジオストクからハバロフスクを経てモスクワに至る列車が停車する駅も持ち、モスクワとの距離は9,048kmです。また、スパッスク＝ダリニーは、シベリア横断道路の一端を形成し、ウラジオストクとハバロフスクを結ぶM60幹線道路「ウスーリ」も通っています。

歴史

この地域の入植は1885年に始まり、最初の集落が「セーブスキー（Spasskoye）」という名前で築かれました。1897年には、シベリア鉄道の最東端が開通し、1906年にはイェフゲニェフカに駅が開設されました。この駅周辺は物資の集散地として急速に発展しました。

1917年には正式に市の地位を授与され、スパッスクと改名されました。ロシア内戦期にはこの地域は激しい戦闘の舞台となり、スパッスクという地名は「野こえ山をこえ」という歌でも言及されるほどの歴史を持ちます。1926年にはイェフゲニェフカを合併し、「スパッスク＝ダリニー」と改名されました。この名称は、極東に位置することを示す「ダリニー」を付け加えることで、他の地域のスパッスクと区別しています。

産業

スパッスク＝ダリニーは、石灰岩、粘土、建設用の砂などの自然資源が豊富で、古くから建設資材の製造が行われています。市内最大の企業であるJSCスパッスクツェメント社は、年間350万トンのセメントを生産し地域経済を支えています。このセメント工場は1907年から操業しており、市章にはハスの花が描かれています。また、スパッスク＝ダリニー周辺地域は農業にも適しており、特に野菜や果物の栽培が盛んです。

気候

この地域はケッペンの気候区分によると亜寒帯冬季少雨気候です。冬季は寒さが厳しく、1月の気温は-10℃を下回ることがよくあります。一方、夏は比較的高温多湿であり、最高気温は25℃を超える日が多く、降水量も豊富です。

文化

スパッスク＝ダリニー周辺には20以上の歴史的記念物が存在し、多くはロシア内戦期の赤軍パルチザンを記念するものです。また、第二次世界大戦関連の記念碑も見受けられます。市内には19世紀末から20世紀初頭に建てられた建物が残っており、鉄道駅や聖堂、商業施設などがその例です。スパッスク＝ダリニーの歴史博物館では、沿海州の自然史に焦点を当てた展示が行われています。

人口推移

スパッスク＝ダリニーの歴史を振り返ると、1989年のソ連国勢調査では6万人を超える人口が記録されました。しかし、21世紀に入ると減少傾向が続き、2002年には5万1691人、2009年には4万5402人と減少したことが見受けられます。今後の人口動向も注目されるところです。

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詳しい情報は、以下の外部リンクを参照してください。

• - ロシア語情報サイト1
• - ロシア語情報サイト2

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