スプリウス・ポストゥミウス・アルビヌス・マグヌス

スプリウス・ポストゥミウス・アルビヌス・マグヌス

スプリウス・ポストゥミウス・アルビヌス・マグヌス（生没年不詳）は、共和政ローマ時代の紀元前2世紀中頃に活躍した人物です。彼は、紀元前148年に執政官（コンスル）という最高職に就任しました。

出自

マグヌスは、由緒あるパトリキ（貴族）であるポストゥミウス氏族の出身です。この氏族は、共和政ローマの初期から高位の官職者を輩出しており、その歴史は建国から5年後の紀元前505年にプブリウス・ポストゥミウス・トゥベルトゥスが執政官に就任したことに遡ります。カピトリヌスのファスティ（執政官名簿）によれば、マグヌスの父も祖父も、個人名（プラエノーメン）はスプリウスでした。祖父スプリウスは、紀元前242年の執政官であるアウルス・ポストゥミウス・アルビヌスの息子であると考えられています。父スプリウスは、資料に登場しないことから、高位官職に就く前に亡くなったと推測されています。

経歴

マグヌスに関する最初の記録は、紀元前148年に執政官に就任した時のものです。当時のウィッリウス法（高位官職就任の年齢制限を定めた法律）から、彼は遅くとも紀元前151年までに法務官（プラエトル）を務めていたと考えられています。この時期、ポストゥミウス氏族は多くの高位官職を占めていました。

マグヌスの同僚であった平民（プレブス）出身の執政官は、ルキウス・カルプルニウス・ピソ・カエソニヌスでした。当時、第三次ポエニ戦争が勃発していましたが、くじ引きの結果、カエソニヌスがカルタゴへ派遣されることになり、マグヌスはイタリアに残ることになりました。マグヌスは、ジェノヴァからクレモナへ至る街道を建設し、さらにそれをアクイレイアまで延伸しました。これにより、ガリア・キサルピナ（ポー川以南のガリア）全域がローマ街道によって結ばれることになりました。この街道は、彼の名にちなんでポストゥミア街道と呼ばれるようになりました。

紀元前146年、ポストゥミウス・アルビヌス家の誰かが、アカイア戦争終結後、ルキウス・ムンミウスを補佐してギリシアの秩序を回復するための10人の使節団に選ばれました。しかし、キケロの時代（約100年後）には、この人物が誰であるか特定できなくなっていたようで、キケロは友人への手紙の中で、この人物が誰であるかを尋ねています。現代の研究者の間でも意見が分かれており、マグヌスであるとする説や、アウルス・ポストゥミウス・アルビヌスであるとする説、あるいは二人とも使節団に選ばれたとする説があります。

キケロは、セルウィウス・スルピキウス・ガルバやガイウス・ラエリウス・サピエンスといった雄弁家が活躍した時代において、マグヌスを「それなりの弁論家」と評しています。また、キケロは紀元前46年に執筆した『ブルトゥスあるいは弁論家列伝』の中で、「スプリウス・アルビヌスの演説はたくさん残っている」と記しています。

子孫

ティベリウス・センプロニウス・グラックス（グラックス兄）の仲間であり、ライバルでもあったとされるスプリウス・ポストゥミウス・アルビヌスは、マグヌスの息子であると考えられています。

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