スプリングソング

スプリングソング：春の歌が奏でた競走生活

2005年2月27日生まれの競走馬、スプリングソング。その名にふさわしく、軽やかな走りでファンを魅了した馬の一生を紐解いていこう。主な勝ち鞍は2010年の京阪杯。半妹には2011年スプリンターズステークスなどG1を2勝したカレンチャンという、輝かしい血統を持つサラブレッドだった。

充実の3歳時：デビューから重賞戦線へ

2008年2月、小倉競馬場での3歳新馬戦でデビュー。1番人気に応え、見事勝利を飾る。その後は池添謙一騎手とのコンビで500万下条件戦、オープンの橘ステークスと連勝。勢いに乗って挑んだNHKマイルカップでは、9番人気ながらダービー馬ディープスカイの6着と健闘を見せた。セントウルステークスでは、武幸四郎騎手とのコンビで3着と好走するなど、才能の片鱗を覗かせた。しかし、ペルセウスステークスではダートとの相性の悪さが露呈し、15着と大敗を喫する場面もあった。それでも、京洛ステークスで勝利、京阪杯では3着、阪神カップでは4着と、この年はコンスタントに好成績を残した。

復活と重賞制覇：4歳～5歳時

2009年はシルクロードステークスで14着と不本意なスタートとなる。続く高松宮記念でも9着と結果が出なかったが、このレースで翌年、翌々年と2連覇を達成するキンシャサノキセキに先着するなど、潜在能力の高さを示した。その後、長期休養を挟んだ。

復帰戦となった2010年の長岡京ステークスでは2番人気に応え、見事勝利。勢いそのままに京阪杯へ挑むと、2番人気で出走。2着のケイアイアストンをハナ差退け、念願の重賞初制覇を達成した。この勝利は、スプリングソングの競走生活における最大のハイライトと言えるだろう。

惜しまれつつも幕を閉じる：6歳時

2011年はシルクロードステークス7着、阪急杯4着と振るわず、高松宮記念では再びキンシャサノキセキの7着に敗れた。オープン戦のオーストラリアトロフィーでは2着と健闘するも、GⅢを3勝するパドトロワには僅差で敗れた。

5月3日、疝痛を発症。治療が行われたものの、病状が悪化し、5月8日に安楽死の措置が取られた。6歳という若さでその生涯を閉じ、G1で活躍した半妹カレンチャンとの直接対決は叶わなかったことが、多くのファンにとって残念だった。

スプリングソングの競走生活は、華々しい勝利と悔しい敗北、そして早すぎる死というドラマチックな物語だった。その短いながらも輝かしい競走生活は、多くの人の記憶に深く刻まれている。 その名は、春の歌のように、いつまでも競馬史に歌い継がれていくことだろう。

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