スペイン共産党

スペイン共産党（PCE）の歴史と変遷



スペイン共産党（Partido Comunista de España, PCE）は、スペインにおける主要な左翼政党の一つです。1922年3月、スペイン社会労働党（PSOE）から分かれたグループによって結成され、その歴史は激動の20世紀スペイン政治と深く結びついています。

初期：人民戦線とスペイン内戦


1936年、PCEは社会労働党など他の左翼・中道勢力と連合し、人民戦線を結成。総選挙で勝利し政権を担いましたが、これに反発した右派勢力による軍事クーデターが勃発、スペイン内戦へと発展します。

内戦中、ソ連と親ソ派による「非ソ連派」粛清が行われました。PCEは親ソ連政党として、創設者の一人であり反スターリン主義に転じたアンドレウ・ニンらのマルクス主義統一労働党（POUM）を弾圧しました。この内部抗争は、人民戦線側の足並みを乱し、最終的にフランコ率いる反乱軍の勝利を招く一因となりました。

フランコ独裁体制下での非合法化とユーロコミュニズムへの転換


内戦後、フランコによる独裁体制下でPCEは非合法化され、幹部らは国外へ移住します。しかし、1970年代に入ると、党内ではソ連型共産主義からの脱却を模索する動きが活発化します。

1960年代には、サンティアゴ・カリーリョが第6代書記長に選出され、彼はユーロコミュニズム運動を主導する中心人物となります。1977年、PCEはフランスやイタリアの共産党と共に、マルクス・レーニン主義の放棄、複数政党制、王政の承認など、独自の社会主義路線を打ち出しました。これは、ソ連の指導との決別を意味するものでした。

民主化後の党勢と変遷


フランコ死後、スペインは民主化が進み、1977年にPCEは合法化されます。同年に行われた総選挙では下院で19議席を獲得しました。しかし、党内ではユーロコミュニズム路線に反対する親ソ派との対立が激化。1980年代には党勢が衰退します。

その後、PCEは他の左翼勢力と連携し、統一左翼（IU）を結成。選挙ではIUの候補として出馬するようになりました。2016年からは、ポデモスを主体とした選挙連合であるウニダス・ポデモス（ポデモス連合）に加わり、選挙活動を展開しています。

日本共産党との関係


PCEは、日本共産党とも交流があります。日本共産党はPCEの党大会に代表を派遣し、メッセージを送り合っています。

現在のPCE


現在のPCEは、マルクス・レーニン主義を信条としていますが、過去のユーロコミュニズム路線の影響も残しています。PCEは議席を持たないものの、ウニダス・ポデモスの一員としてスペイン政治に影響力を及ぼしています。

年表




選挙結果と党勢推移



PCEは1986年以降単独での候補者を擁立しておらず、統一左翼（IU）、またはウニダス・ポデモスの候補者として選挙に参加しています。詳細については、統一左翼 (スペイン)およびウニダス・ポデモスの選挙結果を参照してください。

歴代書記長



（歴代書記長については原文をご参照ください。）

脚注



（脚注については原文をご参照ください。）

関連項目




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