スペースシャトル組立棟

スペースシャトル組立棟について

スペースシャトル組立棟（Vehicle Assembly Building、VAB）は、アメリカ航空宇宙局（NASA）が管理するケネディ宇宙センターに位置します。この施設は、世界で4番目の体積を誇る建物であり、フロリダ州のメリット島にある第39発射施設の近くに展開されています。1974年まではフロリダ州で最も高い建物でもあり、現在でも都市地域外で最高の建物に指定されています。また、アメリカ合衆国国家歴史登録財にも登録されています。

建物の特徴

スペースシャトル組立棟は、総合的に見て世界最大の一部として建設されました。そのサイズは、高さ160メートル、長さ218.2メートル、幅157.9メートルとなっており、延べ面積は約3ヘクタールに達します。建物の内部は366万5000立方メートルの体積を持ち、圧倒的な広さを誇っています。また、南側の外壁にはアメリカ合衆国の国旗が描かれており、これは1976年に描かれた当時において世界最大のサイズを持つものでした。国旗の星は直径約1.83メートル、縞模様の幅は9フィート（約2.74メートル）で、建物全体の高さは約63.7メートル、幅は33.5メートルです。

建物の歴史

この組立棟は元々、アポロ計画のためにサターンVロケットを垂直に組み立てるために設計されました。現在では、スペースシャトルのオービタ、固体ロケットブースター、外部燃料タンクを組み立てる重要な場所として機能しています。この施設で組み立てられたスペースシャトルは、搬送用のプラットフォームからクローラー・トランスポーターで発射施設に運ばれます。

技術的構造

組立棟はハリケーンや熱帯低気圧に耐えるために作られています。具体的には、建物の基盤には約3万立方ヤードのコンクリートが使用され、160フィートの鉄棒が4225本配置されています。この強固な構造にも関わらず、2004年の嵐の季節には大きな被害を受け、特にハリケーンフランシスによって建物の外壁パネルが850枚損失しました。その後の対応として、2007年から外装の修復作業が行われ、特にアメリカの国旗やNASAロゴの修復に力が注がれました。

付属設備

この組立棟には、オービタが出入りできるように設計された4つの大きなドアがあります。これらのドアは、139メートルの高さを持ち、完全に開閉するのに45分かかります。また、シャトルの構成部品を持ち上げるために設けられた5つの頭上クレーンは、そのうち2つが最大250トンの重量に耐えることができます。

結論

スペースシャトル組立棟は、宇宙開発の最前線で活躍する重要な施設です。これまで多くの宇宙ミッションを支えてきたこの建物は、その巨大な規模と先進的な技術により、今後も宇宙探査の中心として機能することでしょう。

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