スマトラ島沖地震 (2009年)

スマトラ沖地震（2009年）の詳細

2009年9月30日10時16分9秒（UTC）、インドネシアのスマトラ島沖でマグニチュード（Mw）7.5の地震が発生しました。この地震は、過去に発生したスマトラ島沖地震とは異なり、プレート境界型ではなく、海洋プレート内部で発生したスラブ内地震でした。

地震の概要

震源はスマトラ島パダンの西北西約60kmの海底で、深さは約81kmでした。地震発生から数日後には、少なくとも1,100人以上が死亡し、さらに多くの人々が倒壊した建物の下敷きになっていると推測されました。また、本震の翌日には、スマトラ中央部のジャンビ州でマグニチュード6.6の地震が発生しています。この地震は深さ15kmで、スマトラ断層の動きに関連した右横ずれ断層型地震でした。

地震の背景

インドネシアは環太平洋火山帯に位置し、スマトラ島西部のパダンは、インド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートに沈み込む活発な地域です。過去のスマトラ島沖地震により、パダン沖は地震空白域とされていましたが、今回の地震はプレート境界型ではなかったため、依然として空白域の解消には至っていません。10月1日に発生した地震は、スマトラ断層の運動と関連しているとされています。

地震の影響

この地震による揺れは、インドネシアの首都ジャカルタや、マレーシア、シンガポールでも感じられました。パダンでは、複数のホテルが倒壊し、交通や通信手段が麻痺しました。倒壊した建物から火災が発生し、市内はパニック状態に陥りました。また、高層ビルも倒壊し、水道管が破損して街路に水が溢れました。複数の病院や学校施設も倒壊し、道路や橋も損壊しました。地すべりによって電線が切断され、火災も発生しました。パダンのミナンカバウ国際空港では屋根が崩落しましたが、翌日には復旧し、運航が再開しました。太平洋津波警報センターは一時的に津波警報を発表しましたが、津波による被害は報告されていません。

被災地への対応

多くの支援組織がパダンの被災者を救援するために活動を開始しました。ワールド・ビジョン、オックスファム、赤十字社、マーシーコープなどの団体が、被災状況の調査と救援活動のために即応チームを派遣しました。

余震と関連地震

本震後、マグニチュード5.5を超える余震が複数回発生しました。特に、10月1日に発生したマグニチュード6.6の地震は、USGSによって本震の余震ではなく、スマトラ断層の運動に関連した別の断層型地震であるとされています。以下は主な地震の一覧です（時刻はUTC）。

9月30日10:16:10 M7.6/0.789° S、99.961° E
9月30日10:38:54 M5.5/0.717° S、100.070° E
10月1日 01:52:29 M6.6/2.497° S、101.540° E
10月1日 02:20:31 M5.0/2.465° S、101.342° E

今回のスマトラ沖地震は、その規模と被害の大きさが、インドネシア及び国際社会に大きな影響を与えました。この地震を教訓に、今後の防災対策の強化が求められています。

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