スロベニア軍

スロベニア軍：国土防衛から国際貢献へ

スロベニア軍（Slovenska vojska, SAF/SV）は、スロベニアの独立と安全を担う国軍です。陸軍、海軍、空軍及び防空軍で構成され、国防省の管轄下にあります。2003年までは徴兵制でしたが、現在は志願兵制へと移行し、国際的な平和維持活動にも積極的に参加しています。

歴史：独立の過程で誕生

スロベニア軍の起源は、第一次世界大戦後の混乱期に遡ります。オーストリア・ハンガリー帝国崩壊後、スロベニア人将校ルドルフ・マイスターがマリボルを解放し、スロベニア人・クロアチア人・セルビア人国への編入を主張しました。この動きが、後のスロベニア軍の基盤となります。

現在のスロベニア軍は、1990年に創設されたスロベニア地域防衛隊 (Teritorialna Obramba Republike Slovenije; Slovene TO) を起源とします。これは、ユーゴスラビア人民軍を補完する民兵組織として設立された国防義勇軍と、秘密裏に存在した国防戦術機関（MSNZ）が融合したものです。1991年のスロベニア独立宣言後、ユーゴスラビア軍との間で十日間戦争が発生。この戦闘を経て、スロベニア防衛隊は拡大し、1993年にスロベニア軍として正式に設立されました。

編成と現状：NATO加盟と国際貢献

2004年3月、スロベニアは北大西洋条約機構（NATO）に加盟しました。これに伴い、スロベニア軍は国土防衛から国際安全保障への展開を重視するようになり、大規模な再編が進められています。徴兵制廃止後、志願兵制に移行し、精鋭化された部隊は、平和維持活動や人道支援など、国際的な任務に積極的に参加しています。

三軍の構成

スロベニア陸軍 (Slovenska Vojske): 地上戦力の中核を担い、国土防衛および国際的な平和維持活動に従事します。
スロベニア海軍 (Slovenska Mornarica): アドリア海に面するスロベニアの沿岸警備を担い、海洋における安全保障を確保します。
スロベニア空軍及び防空軍 (Brigada zračne obrambe in letalstva Slovenske vojske): 空からの脅威に対し、領空の防衛を担います。また、災害時の輸送や捜索救難活動も行います。

平和維持活動への参加

スロベニア軍は、国際連合や欧州安全保障協力機構（OSCE）などの国際機関と連携し、様々な平和維持活動に参加してきました。過去には、コソボやキプロスでの活動実績があります。

スロベニア軍は、その規模は小さいながらも、高い профессионализмと헌신を誇り、国際社会の平和と安定に貢献しています。

関連項目

スロベニア海軍艦艇一覧
前進せよ、栄光の旗へ - スロベニア軍の軍歌

外部リンク

スロベニア国防省公式サイト (スロベニア語、英語)

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