スーダル・クイックステップ

スーダル・クイックステップ：勝利を追求する狼の群れ

スーダル・クイックステップは、国際自転車競技連合（UCI）ワールドツアーに参戦する、ベルギーを代表する自転車ロードレースチームです。パトリック・ルフェーブル監督の下、数々の名選手を輩出し、数々の勝利を積み重ねてきました。

チームの沿革

チームの歴史は、2003年に「クイック・ステップ・ダヴィタモン」として発足した時に遡ります。これは、ラミネートフローリングメーカーのクイックステップ社がメインスポンサーとなり、「マペイ・クイックステップ」を吸収する形で誕生しました。「ダヴィタモン」は、製薬会社オメガファーマ社の栄養補助食品ブランド名に由来します。

発足当初からチームは目覚ましい活躍を見せ、パオロ・ベッティーニやトム・ボーネンといったスター選手を擁し、数々のクラシックレースで勝利を飾りました。特に2005年から3年連続で世界選手権男子個人ロード優勝者を輩出したことは、チームの黄金時代を象徴しています。

その後、チーム名はスポンサーの変遷に伴い、オメガファーマ・クイックステップ、エティックス・クイックステップ、クイックステップ・フロアーズと変化。2019年からはドゥクーニンク社が加わり、ドゥクーニンク・クイックステップとなりました。2022年からはクイックステップ・アルファヴィニルとなり、そして2023年からは現在のスーダル・クイックステップという名称になっています。

2022年には、レムコ・エヴェネプールがブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を果たし、チームに初のグランツール総合優勝をもたらしました。

「ウルフパック」戦略

2018年、チームは戦略を大きく転換。これまでの絶対的エースに合わせたチーム編成から、レースごとにエースを変え、全てのレースでの勝利を目指すという戦略にシフトしました。この戦略は、集団で獲物を狩る狼の群れに例えられ、「ウルフパック」という愛称で呼ばれるようになり、チームの象徴となりました。

使用機材

フレームは、TIME、スペシャライズド、エディ・メルクスを経て、現在は再びスペシャライズドを使用。コンポーネントは、カンパニョーロ、SRAMを経て、現在はシマノを使用しています。

主な戦績（一部）

2014年：パリ～ルーベ優勝（ニキ・テルプストラ）、世界選手権ロードレース優勝（ミカル・クヴィアトコウスキー）
2015年：アムステル・ゴールドレース優勝（ミカル・クヴィアトコウスキー）
2016年：世界選手権チームタイムトライアル優勝、個人タイムトライアル優勝（トニー・マルティン）
2017年：ロンド・ファン・フラーンデレン優勝（フィリップ・ジルベール）
2018年：ロンド・ファン・フラーンデレン優勝（ニキ・テルプストラ）、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝（ボブ・ユンゲルス）
2019年：ミラノ〜サンレモ優勝（ジュリアン・アラフィリップ）、パリ〜ルーベ優勝（フィリップ・ジルベール）
2020年：ツール・ド・ポローニュ総合優勝（レムコ・イヴェネプール）
2021年：ロンド・ファン・フラーンデレン優勝（カスパー・アスグリーン）
* 2022年：ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝（レムコ・エヴェネプール）

スーダル・クイックステップは、常に勝利を追求し、革新的な戦略でロードレース界を席巻してきました。これからも、「ウルフパック」は、新たな勝利を目指し、世界中のレースでその存在感を示し続けるでしょう。

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