セキ (囲碁)

囲碁におけるセキとは

囲碁において「セキ」とは、対局者双方が、相手の石を取ろうとすると、逆に自分の石が取られてしまうような状態を指します。このため、どちらの対局者も手出しができず、膠着状態となります。セキの状態にある石は、生きた石として扱われますが、地として数えることはできません。

セキの例

基本的なセキの形

例えば、ある図において、黒が内側の白石を取るためにaに打つと、白がbに打ち、黒がbに打つと白がaに打つというように、互いに取り合う形になります。この場合、どちらかが先に手を出してしまうと、逆に自分の石が取られてしまいます。このような状態をセキと呼びます。

セキの様々な形

両者が一路ずつ持つ形: 白がaやbに詰めると黒に取られて生きとなり、黒からa・bの両方に詰めると白△で三目ナカデの死にとなる場合、双方とも手出しができずセキとなります。
コウが2つある形: コウが2つある場合、白がaに取ると黒はbに取り返すことができ、どちらも全体が取られることがないため、セキとして扱われます。
内ダメがある形: 両者が一眼ずつ持ち、内ダメがある場合は、どちらからも相手を取りに行けず、これもセキとなります。
隅の形: 隅は一見7目の白地に見えますが、周りのダメが全て詰まると、黒に1から3の手段が生じます。両者手出しできず、これもセキとなります。白は生きてはいますが、地はゼロになります。

セキの崩れ

セキの状態にある石も、周囲の状況によっては崩れることがあります。例えば、セキの関係にある石を包囲する他の石に眼がない場合、いずれその石が取られてしまうことになります。これをセキ崩れと呼びます。

また、一見セキに見える形でも、実は死んでいるという場合もあります。代表的な例として、「隅のマガリ四目」があります。この形は、詳しくは該当項目を参照してください。

他のボードゲームにおける類似の状況

セキのような、互いに動けない、あるいは動くと不利になるような状況は、他のボードゲームにも見られます。

将棋

将棋では、局面を大きく変化させたくない場合に、無難な手を指して相手に手を渡すことがあります。これは、事実上パスと同じような効果があります。また、持ち駒があるため、駒を動かしたくない局面でも持ち駒を使うことで手を渡すことができます。

リバーシ

リバーシでは、自分だけが打てる箇所を残しておき、相手に有効な着手がなくなった状態でそこに打つということがしばしば行われます。このような着点を「余裕手」、余裕手を打つことを「余裕手発射」と呼びます。

チェス

チェスでは、ツークツワンクという概念があります。これは、自分の番で必ず手を指さなければならないため、多くの場合、状況を悪化させる手を指さなければならない状況を指します。これを利用して、相手をツークツワンクの状態へ追い込む戦術も存在します。

注釈

セキは、囲碁の複雑さを象徴する概念の一つであり、死活問題にも深く関わっています。セキを正確に理解することは、囲碁を上達させる上で非常に重要です。

関連項目

手抜き
死活

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