株式会社セコニック:精密機器メーカーの軌跡
株式
会社セコニック(SEKONIC CORPORATION)は、
東京都世田谷区に本社を構える精密機器メーカーです。
1951年の創業以来、写真用
露出計を主力製品として発展してきました。その一方で、光学機器や計測器の技術を応用し、OMR・OCR装置、
監視カメラの製造、更には複写機の受託生産も手がけるなど、多角的な事業展開を行っています。
創業と多角化
セコニックの歴史は、
1951年に成光電機工業株式
会社として始まったことに遡ります。当初は写真用
露出計を主力としていましたが、その後、8mm映写機などの製造も行いました。そして、光学技術や計測技術を活かし、OMR・OCR装置や
監視カメラといった新たな分野にも進出しました。
1971年には、小西六(後の
コニカ、現・
コニカミノルタ)からの複写機の受託生産を開始し、これがセコニックの事業構造を大きく変えるきっかけとなりました。一時期は
コニカの資本も入り、実質的に
コニカの生産子
会社としての役割を担っていましたが、
コニカミノルタの発足に伴い、資本提携は解消されました。
その後、機械系商社のCBCを経て、現在はTCSグループの傘下に入っています。
沿革
セコニックの歩みを年表形式で振り返ってみましょう。
1951年6月:成光電機工業株式
会社として、
東京都豊島区に設立。
1959年6月:
東京都練馬区(現在の大泉事業所所在地)に東京工場を開設。
1960年8月:株式
会社セコニックに社名を変更。
1963年5月:
東京証券取引所第2部に上場。
1965年11月:
長野県北安曇郡池田町に池田工場を開設。
1971年5月:小西六写真工業(後の
コニカ、現・
コニカミノルタ)の複写機受託生産を開始。
1993年1月:生産機能を池田工場に集約。
2000年4月:池田工場を安曇野事業所に名称変更。
2000年4月:
コニカ東京事業場八王子(現・
コニカミノルタ東京サイト八王子)の複写機生産ラインを八王子事業所とする。
2010年12月:筆頭株主がCBCからTCSグループに移行。
2012年4月:持株
会社体制に移行。株式
会社セコニックを株式
会社セコニックホールディングスに商号変更。事業
会社として株式
会社セコニックを新設分割。
2018年3月:業務を株式
会社セコニック電子及び恵州賽科尼可科技有限公司に移管し、安曇野事業所を閉鎖。
2019年7月:子
会社の株式
会社セコニック、株式
会社セコニック通商を吸収合併し、株式
会社セコニックへ商号変更。株式
会社セコニック技研の全株式をムトーアイテックス株式
会社へ譲渡。
2022年1月:TCSグループのTCSアライアンス株式
会社が
株式公開買付けを実施し、72.38%の株式を取得。同グループのMUTOHホールディングス保有株式と合わせた保有比率は92.15%となる。
2022年3月:
東京証券取引所第2部上場廃止。
株式併合により株主がTCSアライアンス及びMUTOHホールディングスのみとなる。
2024年10月: 日東通信機と北部通信工業を吸収合併。
セコニックグループ
セコニックは、以下の拠点を中心に事業を展開しています。
株式
会社セコニック
本社:
東京都世田谷区池尻三丁目1番3号
大泉事業所:
東京都練馬区大泉学園町7-24-14
株式
会社セコニック電子
沢田工場:
福島県南会津郡下郷町大字沢田字赤岩乙50-2
田島工場:
福島県南会津郡南会津町糸沢字馬場ヶ原454-10(2021年閉鎖)
喜多方工場:
福島県喜多方市岩月町橿野字下前田203-1
函館事業所:
北海道函館市鈴蘭丘町3-91
海外現地法人
SEKONIC (HONG KONG) CO.,LIMITED -
香港
SEKONIC ELECTRONICS (CHANGSHU) CO.,LIMITED - 中国・
江蘇省
HUIZHOU SEKONIC TECHNOLOGIES CO., LTD. - 中国・
広東省
都民農園セコニック
セコニックの旧本社があった大泉事業所の近くには、「都民農園セコニック」というバス停があります。このバス停名は、かつてこの地域に存在したセコニックの東京工場に由来します。都民農園とは、かつて
東京都が計画していたレクリエーション農園構想の名残です。バスの行先表示におけるセコニックの英字表記は、以前は「SEKONIKKU」でしたが、
2000年代後半から「SEKONIC」に変更されました。
このバス停は、
コラムニストの
泉麻人氏が著書で取り上げたこともあり、セコニックの意外な一面を伝えています。
まとめ
セコニックは、写真用
露出計をルーツとする精密機器メーカーでありながら、時代の変化に合わせて多角的な事業展開を行ってきました。その歴史は、技術革新と事業戦略の変遷を示すものであり、日本の精密機器産業の一翼を担ってきた
企業と言えるでしょう。
外部リンク
*
株式会社セコニック - 公式サイト