セスナ サイテーション・ラティチュード

セスナ サイテーション・ラティチュード (Cessna Citation Latitude) について

セスナ社が開発した中型ビジネスジェット機、サイテーション・ラティチュード（モデル680A）は、アメリカで製造されており、その主要な施設はカンザス州ウィチタにあります。この機体は、サイテーション・ソヴリン（モデル680）を基に設計され、2015年6月には連邦航空局（FAA）から正式に認定されました。

設計と開発

サイテーション・ラティチュードは2011年10月に発表され、サイテーション・XLS +よりもサイズが大きく、価格も抑えられたモデルとして市場投入されました。この機体は9人乗りの設計で、プラット・アンド・ホイットニー・カナダ製のPW306Dターボファンエンジンを搭載しています。また、十字形の尾翼と全金属製の胴体を持つのが特徴です。

プロトタイプは2014年2月18日に初飛行を行い、その後、セスナ社は同年の6月8日にFAAからの認定を取得したと発表しました。これにより、この新たなビジネスジェット機の運用が実現に向けて加速しました。

運用状況

顧客への出荷は2015年第3四半期に開始され、2016年の年末までには多くの機体が引き渡されました。最初の取引先はネットジェッツで、150機の受注が行われました。これにより、サイテーション・ラティチュードは商業的にも重要な役割を果たすこととなりました。

軍用型の導入

2016年12月、航空自衛隊は飛行点検機として使用するため、老朽化したYS-11FCの後継機、および事故で損耗したU-125の代替機として、680Aを選定しました。選定に際しては、機体性能が評価され、また対地警報装置が地図情報と連動し、不要な警報を出さない点も高く評価されました。この結果、ボンバルディア チャレンジャー650やダッソー ファルコン2000Sを抑えて、サイテーション・ラティチュードが選ばれました。契約内容には3機の機体購入費が約108.7億円、備品や燃料費用が含まれています。

2020年3月21日には、U-680Aの2機が入間基地に到着し、26日には自衛隊に納入されました。2021年1月20日には、3機目の機体も同様に入間基地に到着しました。

仕様

サイテーション・ラティチュードの主な諸元は以下の通りです:

• - 乗員: 2名
• - 定員: 9人
• - 全長: 18.97 m
• - 全高: 6.38 m
• - 翼幅: 22.05 m
• - 翼面積: 50.4 m²
• - 空虚重量: 8,466 kg
• - 有効搭載量: 14,084 kg
• - 最大離陸重量: 13,971 kg
• - 動力: プラット・アンド・ホイットニー・カナダ製PW306Dターボファンエンジン×2
• - 燃料容量: 1,700ガロン

性能

• - 巡航速度: 826 km/h
• - 航続距離: 5,278 km
• - 実用上昇限度: 14,000 m
• - アビオニクス: ガーミンG5000

この機体は、ビジネスや軍事の両分野で、運用の幅を広げる重要な役割を担っています。

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