セルビオーラ級哨戒艦

セルビオーラ級哨戒艦について

セルビオーラ級哨戒艦は、スペイン海軍が運用する重要な艦艇の一群であり、主に海洋パトロールや防衛任務に使用されています。この艦級は、1989年に新たな哨戒艦の建造を目的として発注され、アトレヴィダ級コルベットに代わる存在として計画されました。設計の初期段階では、当初の計画名はミラノ級（B-215型）であり、艦のサイズや武装は比較的小型で軽武装になる予定でした。

設計の特徴

セルビオーラ級は、メキシコ海軍向けに設計されたアギラ級を基にしたもので、その設計は改ハルコン型と呼ばれています。艦の形状は中央船楼型であり、これにより艦体の安定性が向上しています。さらに、フィンスタビライザーが搭載され、様々な海況においても安定した航行を可能にしています。艦の後部にはヘリコプター甲板があり、シー・ステート4の海況下でもヘリコプターの発着が可能です。

ただし、艦内には格納庫や給油設備は存在せず、特定のヘリコプター（ベル 212など）に対する発着スペースが確保されていますが、その運用には制限があります。

武装構成

武装に関しては、人力操作のMk.26 3インチ緩射砲を装備しており、艦の船楼の前端に配置されています。この艦砲は、砲側照準だけでなく、光学方位盤による精密射撃も可能です。また、3番艦には試験的にMSP-4000 光学捜索装置が搭載されていることも特徴的です。弾薬の搭載量は、76.2mm砲弾が200発、12.7mm弾が7,000発となっています。将来的には62口径76mm単装速射砲への換装が考慮されています。

緊急時には、メロカCIWSやシースパロー個艦防空ミサイル、ハープーン艦対艦ミサイル、さらにはM/50 375mm対潜ロケット発射機|M_50 375mm対潜ロケット発射機といった高度な防御システムを搭載する能力も持ち合わせています。

同型艦の建造

セルビオーラ級のすべての艦は、イサル社のフェロル造船所で建造されていますが、2005年以降はナバンティア社にその運営が移行しました。もともとは5艦の建造が計画されていましたが、最終的にはその計画は実現しませんでした。

このように、セルビオーラ級哨戒艦は、スペイン海軍における重要な任務を担うために設計され、諸機能に優れた現代的な艦艇です。

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