セントポール (重巡洋艦)

セントポール (USS Saint Paul, CA-73)

セントポール（USS Saint Paul, CA-73）は、アメリカ海軍に所属する重巡洋艦であり、ボルチモア級重巡洋艦の6番艦です。この艦艇の名前はミネソタ州の州都セントポールに由来しており、同名を持つ艦はこれで2隻目になります。

艦歴

建造は1943年2月3日にマサチューセッツ州クインシーのベスレヘム・スチール社で始まり、艦名は当初ロチェスターという名称で進められました。1944年9月16日に進水し、1945年2月17日にアーネスト・H・フォン・ハイムバーグ艦長の指揮の下で正式に就役しました。

第二次世界大戦

セントポールは戦争の勃発後、カリブ海での整調を経て、1945年5月15日にボストンを出発し太平洋へ向かいました。6月には真珠湾で訓練を行い、7月2日には第38任務部隊に合流しました。部隊は日本本土に対する攻撃の準備を進め、7月24日から8月10日まで航空母艦の護衛任務を果たしました。艦載機による攻撃は、呉、神戸、関東地方へ向かい、続いて舞鶴や本州北部の飛行場への爆撃も行われました。

セントポールはその間、艦砲射撃による工業地帯への攻撃も実施し、特に7月29日の晩には浜松の繊維工場、8月9日には釜石の製鋼所を攻撃しました。この釜石への砲撃は太平洋戦争における主力艦による最後の攻撃として記録されています。台風の接近に伴い、8月11日から14日までの航空攻撃は見送られ、8月15日の日本の降伏によってすべての作戦は停止しました。

朝鮮戦争

朝鮮戦争が勃発した際、セントポールは士官候補生を載せた練習航海中でしたが、すぐに西太平洋へ向かい、第77.3任務群と共に台湾海峡の哨戒任務に着手しました。11月17日には国連軍への火力支援を行い、その際に至近弾で負傷者が出ました。韓国軍の撤退支援にも従事し、1951年1月には仁川の北方で砲撃任務を行いました。また、4月7日には駆逐艦とともに鉄道への襲撃を支援しました。

6月にはサンフランシスコに帰還し、その後11月27日には元山沖に進出、興南、金策、清津を攻撃しました。1952年には再び元山と清津を標的に攻撃を行う中、前部の8インチ砲塔で火災が発生し、30名の命が失われるという悲劇もありました。さらに、1953年7月11日には元山で直撃弾を受ける事故がありましたが、幸いにも人員の負傷者は出ませんでした。

その後の運命

セントポールは1978年7月31日に除籍され、その後1980年1月に売却となりました。この艦は第二次世界大戦で1つ、朝鮮戦争で8つ、さらにはベトナム戦争において9つの従軍星章を受けており、アメリカ海軍の歴史にその名を刻んでいます。

関連項目

• - アメリカ海軍艦艇一覧
• - アメリカ海軍巡洋艦一覧

外部リンク

• - navsource.org: USS Saint Paul

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