ソウル・ステーション/パンデミック

ソウル・ステーション/パンデミック

『ソウル・ステーション/パンデミック』は、大韓民国のゾンビアニメ映画で、原題は「서울역」、英題は「Seoul Station」。この作品は、2016年度のエディンバラ国際映画祭で上映されました。監督で脚本家のヨン・サンホが手掛けており、彼の実写映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚にあたります。

製作背景

監督のヨン・サンホは、ソウル駅という経済発展の象徴と、その影響から取り残された人々、特にホームレスに焦点を当ててこの映画を制作しました。当初は短編アニメとして考えられていましたが、最終的には長編アニメーションに仕上がりました。製作中にネクスト・エンターテインメント・ワールドから実写映画のリメイクの話が持ちかけられましたが、それを機に新たに『新感染』という作品が作られることになりました。この実写映画が先に公開されたため、『ソウル・ステーション/パンデミック』の方が後に続く形になりました。

あらすじ

物語は夕刻のソウル駅前から始まります。そこでは、血を流した老人が歩いており、人々は助けようとするものの、彼がホームレスであると知ると簡単に見捨ててしまいます。老人の弟は、兄を助けるために警察や病院に助けを求めますが、どこも相手にしてくれません。最終的に、老人は地下通路で息を引き取ってしまいます。

その一方で、元風俗嬢のヘソンは、彼氏であるキウンの責任で自分の写真が売春サイトに公開されたことを知り、怒りを抱えて一人で街を歩いています。ヘソンの父を名乗る女性がキウンに電話をかけ、娘と早く再会させるように迫ります。

その後、ヘソンが歩いていると、突然、悲鳴があがり、先ほど亡くなった老人がゾンビとなって人々を襲います。この出来事を発端に、ソウル全体に感染が広がり、警察も大韓民国軍も無力化していきます。

キャスト

この作品には、シム・ウンギョンがヒロインのヘソンを演じ、彼女の声を担当しています。キウン役にはイ・ジュンが配役され、彼女と複雑な関係にあるキャラクターを演じています。さらに、リュ・スンリョンやキム・ジェロクなどの役者も参加しており、それぞれが物語に彩りを添えています。

代表的なテーマ

『ソウル・ステーション/パンデミック』は、ゾンビ映画でありながら単なるホラーではなく、社会的な問題や人間の孤独、助け合いの重要性に焦点を当てています。経済の発展と社会の格差、ホームレスの人々に対する偏見など、深刻なテーマが描かれています。これにより、視聴者は単なるエンターテインメントを超え、考えさせられる要素を持った作品に触れることができます。

このアニメ映画は、視覚的にも斬新で、動きのあるアニメーションが観客を引き込みます。また、ストーリーの緊張感とキャラクターの内面描写が融合し、観る者に強い印象を与えます。

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