ソウル交通公社5号線

ソウル地下鉄5号線の概要

ソウル地下鉄5号線は、大韓民国のソウル特別市の江西区にある傍花駅と京畿道河南市の河南黔丹山駅を結ぶ路線です。また、江東区に位置する江東駅から分岐し、松坡区の馬川駅へ接続する役割も果たしています。この路線は、ソウル交通公社によって運営されています。通称「ソウル地下鉄5号線」として知られ、韓国における第2期地下鉄プロジェクトの一環として建設されました。

路線の特徴

5号線の全長は52.3kmで、そのうち本線は45.2km、馬川支線は7.6kmです。標準軌の1435mmを採用しており、全線が複線で電化されています。閉塞方式にはATCとATOが使われ、傍花車両事務所と高徳車両事務所が主要な車両基地です。

特徴的な点は、昔の第1期地下鉄に比べてコスト削減が施されたことで、トンネルや車両の高さが低くなっています。ラインカラーは紫色で、広域電鉄の河南線とともに首都圏電鉄5号線を形成しています。

輸送利便性

5号線は、ソウル市内と金浦国際空港を直接結ぶため、大変利便性の高い路線として多くの利用者に重宝されています。特に汝矣島エリアを通過するため、ビジネスマンや観光客に人気があります。江東駅から分岐した先では、利用者が流れる二股のルート式になっており、永登浦区庁駅から東大門歴史文化公園駅、往十里駅の間では、急激に利用者が増加しています。

金浦空港駅と汝矣島駅、オリンピック公園駅間ではソウル市メトロ9号線と接続していますが、9号線では急行運転が行われているため、金浦空港駅からオリンピック公園駅までは約17分早く到着します。これに対して、5号線の一般停車の所要時間はほぼ同等です。また、空港鉄道とも接続していますが、その所要時間では空港鉄道が優位です。

2025年には傍花駅から西方面への延伸計画があり、仁川広域市の黔丹北部地区や京畿道金浦市へのアクセス向上が期待されています。また、河南黔丹山駅から東方面では、多くの人々が利用する八堂駅までの延伸計画も進行中です。

歴史的経緯

5号線の着工は1990年6月27日で、1995年11月15日には往十里駅から上一洞駅までの14.4kmが開業しました。その後、1996年には傍花駅、江東駅から馬川駅までが開通しました。2008年には麻谷駅が開業し、2020年8月には上一洞駅から河南豊山駅にも路線が延伸されました。2021年3月27日には河南豊山駅から河南黔丹山駅までの新たな駅も開業し、同時に江一駅の開通がありました。

運行と車両

5号線の運行は傍花駅から河南線と馬川駅間を交互に行います。平日は朝ラッシュ時に2分30秒から3分の間隔で、昼間は6分、夕方は3から4分の間隔で運行されています。逆に江東から上一洞及び馬川への運行は、朝ラッシュ時に5から6分、昼間は12分、夕方は6から8分の間隔となります。

使用されている車両は5000系電車で、傍花車両事務所には38本304両、高徳車両事務所にも同じく38本304両が配置されています。新型車両の導入に伴い、旧型車両は徐々に置き換えが進められており、2028年までには全ての旧型車両が新型に更新される予定です。

その他の情報

開業当初、馬川支線の番号は上一洞駅からの連番で558から561でしたが、汝矣島と往十里間の開業で番号がP549からP555に改められました。また、麻谷駅は2002年のFIFAワールドカップの競技場候補地として建設されましたが、スタジアムの建設が実現せず、周辺は農地に留まったため開業が遅れました。しかし、その後の開発で利用者が増加し、2008年6月20日に営業を開始しました。漢江は独自の地下トンネルを通過しており、他の路線でも同様の構造が見受けられます。

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