ソウル特別市都市鉄道公社5000系電車

ソウル特別市都市鉄道公社5000系電車

ソウル特別市都市鉄道公社5000系電車は、1995年11月に営業運転を開始したソウル交通公社5号線用の通勤電車です。この系列は、ソウル特別市都市鉄道公社が初めて製造した車両であり、その後の6000系や7000系、8000系の基本設計に影響を与えました。

概要

5000系電車は、1994年から1996年にかけて製造された車両で、最初の1次車は1994年12月から1996年1月の間に登場し、2次車は1996年に追加されました。すべての車両は、日本の海外経済協力基金（OECF）の資金で製造されています。また、3次車は河南線の延伸に備えて、現代ロテムによって577～580編成が導入されました。4次車は、老朽化した1次車を置き換えるために2020年から2022年にかけて製造され、501～525編成が登場しました。5次車と6次車は、2025年から2026年、および2027年から2028年にかけてタウォンシスにより製造される予定です。

車体の仕様

この車両は、軽量なステンレス製で、5号線の特徴的な紫色の帯が施されています。先頭車の形状は半流線型となっていて、客用扉は片側に4か所あります。1次車では側窓が内倒れ式となっていたのに対し、2次車以降は固定式に変更されています。行き先表示器にはLEDが使われており、2次車ではそのサイズが大きくなりました。更に、4次車ではアルミニウム製の車体が採用され、軽量化が図られました。

走行機器

5000系電車は、GTO素子を用いたVVVFインバータ制御を採用しており、主電動機は出力200kWの三相誘導電動機が使用されています。特に4次車では、ブレーキに回生ブレーキを併用した電気指令式空気ブレーキが採用され、全電気ブレーキ機能を備えています。また、集電装置は下枠交差式のパンタグラフが搭載されており、性能向上に貢献しています。

内装改造

2003年に発生した大邱地下鉄放火事件を受けて、5000系全車両は内装の不燃化改造が行われました。この改造には、座席の素材変更、非常通報装置や火災警報器の設置、側窓の固定化が含まれています。初めはステンレス製の座席が採用されましたが、2010年には再び不燃性のモケット製の座席に戻されました。

配属と編成

5000系の編成は、ソウル交通公社の編成番号に基づき、3桁で表示されます。現在、501～536編成と577～580編成が高徳車両事業所に配属されています。さらに、537～576編成は傍花車両事業所に配属されており、運行状況に応じて効率的に管理されています。

事故と廃車

5000系の1次車・2次車は製造から約30年近く経過しており、代替車両が導入されています。特に、2025年までに4次車が全て導入される予定で、古い車両は廃車される見通しです。2025年には傍花駅で火災が発生し、車両の一部が損傷するという事故もあり、安全性向上の取り組みがさらに求められています。

このように、5000系電車はソウル特別市の交通網において重要な役割を果たしており、その進化は今後の地下鉄運行にも大きな影響を与えるでしょう。

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