ソウル特別市都市鉄道公社6000系電車

ソウル特別市都市鉄道公社6000系電車

ソウル特別市都市鉄道公社6000系電車は、ソウルの6号線と7号線において運行されている通勤型電車です。この電車は1999年から2000年にかけて、全41編成328両が製造され、2000年に6号線の開通とともに運行を開始しました。6000系の製造は、現代精工が601番から614番編成を手掛け、615番から641番編成は韓国鉄道車輌（現・現代ロテム）が担当しました。

この電車のデザインは、ソウル特別市都市鉄道公社の標準に合わせて設計されており、内装は他の形式とは若干異なる仕様になっています。特に、シートが片持ち式であり、スタンションポールが2本設置されている点からも、JR東日本の209系電車と似た特徴が見受けられます。ただし、後述の不燃化改造により、座席が変更されているため一部の特徴は失われています。制御装置には三菱電機製のVVVFインバータが採用されており、2レベルIGBT素子を用いた制御方式が使用されています。また、現代精工が開発した運転情報管理システム、TCMSも搭載されています。

6000系は元々全てが6号線を走行していましたが、後に640編成と641編成は7号線に転属し、塗装が7号線の特有のオリーブ色に変更されました。

TCMS（Train Control Management System）

TCMSは三菱電機が開発したもので、JR東日本のTIMSや新潟トランシスのディーゼル車情報制御装置での機能を持っています。韓国の鉄道車両において既存のTIGSを改良し、より高速なデータ伝送を可能とするネットワークシステムを構築しています。特に、力行や制動の指令機能を持つATOと連携しており、車両の応答性が大きく向上しています。これにより、ワンマン運転時の管理機能も一元化され、故障診断機能や入出庫検査機能などの多機能が強化されました。ただし、伝送速度に関しては限定的であるため、完全に他のシステムに対して劣る部分があります。

内装の不燃化改造

大邱地下鉄放火事件を受けて、2003年から2005年の間に6000系の内装材の不燃化改造が行われました。このプロジェクトは興一企業株式会社が担当し、座席をステンレス製に変更し、火災警報器や非常用インターホンを設置しました。改造前には非常用のドアコックが扉上部に位置していましたが、安全性を考慮し座席下に移設されました。

韓国産初のVVVFインバータの搭載試験

609編成は、韓国で初めてIGBT素子を使用したVVVFインバータを装備して試験運行を行いました。しかし、ブレーキ効率があまり良くないことや故障が多発したため、2005年には三菱のIGBT-VVVFインバータに改造されました。それでも、現代ロテム製のVVVFインバータは、後に他の地下鉄でも採用されることになり、韓国の多くの鉄道に影響を与えています。

永久磁石同期電動機の搭載試験

633編成では、現代ロテムが開発した永久磁石同期電動機（PMSM）が試験的に採用され、2019年には6000kmの走行距離を達成しました。これに続いて、この電動機は日本の東芝製としてソウル交通公社の新型車両にも使用されています。

編成表と配属

この電車の編成番号は、4桁のうち百の位を除く3桁で表示されます（例として6101号車は601編成に相当）。配属先としては、601から639編成が新内車両事業所、640と641編成は道峰車両事業所にそれぞれ配置されています。

まとめ

ソウル特別市都市鉄道公社6000系電車は、技術的な進化と安全性を重視したデザインで、ソウルの通勤形電車として重要な役割を果たしています。

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