ソニックブラストマン

『ソニックブラストマン』は、タイトーが1990年にリリースしたアーケードゲームで、パンチ力を測定してゲームを進めるという斬新なアイデアが特徴です。従来のパンチングマシンとは異なり、映像演出と組み合わせることで、プレイヤーはゲームの世界に入り込み、ヒーローになりきってパンチ力を試すことができます。1992年にはスーパーファミコン版も発売されましたが、本稿では主にアーケードゲーム版について解説します。

概要

これまでのパンチングマシンは、単にパンチ力を測定するだけのシンプルなものでした。しかし『ソニックブラストマン』は、パンチ力測定に加えて、ゲームのストーリーに沿った映像演出を融合させることで、プレイヤーに新しい体験を提供しました。プレイヤーはモニターを見ながら、スーパーソニックブラストマンになりきって、さまざまな危機をパンチで解決していくという、ユニークなゲーム性を楽しむことができます。

主人公

主人公は、地球の平和を守るために遥か彼方からやってきた正義のヒーロー「スーパーソニックブラストマン」です。普段は普通のサラリーマンとして生活していますが、事件が発生すると瞬時に変身し、現場へ駆けつけます。ゲームのコンセプトは、スーパーソニックブラストマンのパンチによってあらゆる事件を解決するというもので、プレイヤーがパンチをする際には「私のパンチを受けてみろ！」という音声が流れます。

デモ画面では、手足を縛られ猿轡をされた女性が線路に放置され、ディーゼル機関車に轢かれそうになる場面が描かれています。スーパーソニックブラストマンは、機関車を殴り飛ばして女性を救助し、空に飛行機雲で「See you again」と書き残して去っていきます。

ゲーム進行

ゲームを始めるには、コインを投入後、5つの難易度からステージを選択します。各ステージには、クリアに必要なスコアのノルマが設定されており、ステージ選択後にはストーリーが展開されます。音声の後にパンチングパッドが立ち上がるので、プレイヤーはグローブを装着し、パッドを全力で殴ります。パンチ力が表示され、同様の流れで計3回殴り、3回の合計値がノルマを超えればステージクリアとなります。ノルマに達しない場合はバッドエンドとなり、ステージクリアの如何に関わらず、3回殴り終えるとゲームは終了します。

アニメーション

ゲームの進行に合わせて、モニターに映し出される敵キャラクターのアニメーションが変化します。画面右上にはクリアに必要なノルマスコアが表示されており、残り数値に応じて敵キャラクターのリアクションが変化します。パンチ力が低い場合は敵キャラクターの変化は少ないですが、高い場合は表情が歪んだり、体が大きく破壊されるなど、アニメーションも大きく変化します。

ステージ構成

ゲームには以下の5つのステージが用意されています。

1. 女性がおそわれている！3発なぐって暴漢をKOせよ！：女性が暴漢に襲われ、バッグを奪われようとしています。ノルマは200トンです。
2. 子供があぶない！3発なぐってトレーラーを止めろ！：母親がベビーカーを車道に滑らせてしまい、トレーラーが迫っています。ノルマは260トンです。
3. 街が攻撃されている！3発なぐって悪の要塞ビルを破壊せよ！：ノルマは290トンです。
4. 巨大怪獣出現！3発なぐって怪獣を倒せ！：海上の船の行く手を阻む巨大なカニのような怪獣が出現します。ノルマは320トンです。
5. 地球に隕石が接近！3発なぐって隕石をくだけ！：地球に巨大な隕石が接近し、人類滅亡の危機が迫っています。ノルマは350トンです。

メンテナンス

2008年にタイトーによるメンテナンスサービスが終了しました。これは、発売から長期間が経過し、予備の備品がなくなったためです。故障した場合は、ゲーム機の稼働を停止するように呼びかけられています。

続編

1994年には、『スーパーソニックブラストマン』を使用した続編『リアルパンチャー』が発売されました。また、2011年には、本作の名場面を再現した『ソニックブラスト[[ヒーローズ]]』が登場しました。

スーパーファミコン版

1992年9月25日に発売されたスーパーファミコン版は、アーケード版とは異なり、パンチ力測定ゲームではなく、『スーパーソニックブラストマン』のキャラクターを使用したベルトスクロールアクションゲームです。

評価

SFC版はファミコン通信クロスレビューで25点（40点満点）を獲得しました。レビュアーからは、ファイナルファイトの主人公をヒーロー風にしたコミカルなゲームである点や、豪快なパンチが気持ち良い点、ボーナスステージが突き抜けている点などが評価されました。一方で、ステージが単調で緊張感が得られないという意見もありました。

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