ソユーズTM-32

ソユーズTM-32：初の宇宙旅行者とISSへの往復

ソユーズTM-32は、国際宇宙ステーション（ISS）への往来を目的としたソユーズ宇宙船のミッションです。このミッションの最大の特徴は、史上初の自費による宇宙旅行者であるデニス・チトー氏が搭乗したことです。ミッションのコールサインは「クリスタル」でした。

ミッションの概要

ソユーズTM-32は、2001年4月28日に打ち上げられ、ISSへの往路では、カザフスタン出身のタルガット・ムサバイエフ、ロシアのユーリー・バトゥーリン、そしてアメリカのデニス・チトーが搭乗しました。ISSへの到着は4月30日で、ザーリャモジュールにドッキングしました。

ISS滞在中のクルーは、約1週間を過ごした後、ソユーズTM-31に乗って地球に帰還しました。これは、ソユーズTM-32がISSの救命艇としての役割を果たすためで、約6ヶ月間ISSにドッキングしたままとなりました。

復路では、ヴィクトル・アファナシェフ（ロシア）、クローディ・エニュレ（フランス・欧州宇宙機関）、コンスタンチン・コゼエフ（ロシア）が搭乗し、2001年10月31日に地球に帰還しました。

クルーの構成

打上げ時:

タルガット・ムサバイエフ (3) - カザフスタン
ユーリー・バトゥーリン (2) - ロシア
デニス・チトー (1) - アメリカ合衆国（宇宙飛行関係者）

帰還時:

ヴィクトル・アファナシェフ (4) - ロシア
クローディ・エニュレ (2) - フランス（欧州宇宙機関）
コンスタンチン・コゼエフ (1) - ロシア

括弧内の数字は宇宙飛行の回数を表しています。

ISSとのドッキング

ソユーズTM-32は、ISSとの間で複数回のドッキングと分離を行いました。

結合 (ザーリャ): 2001年4月30日 07:58 UTC
分離: 2001年10月19日 10:48 UTC
結合 (ピアース): 2001年10月19日 11:04 UTC
分離: 2001年10月31日 01:38 UTC

ミッションのハイライト

ソユーズTM-32のミッションは、主に以下の点で特筆されます。

初の自費宇宙旅行者の搭乗: デニス・チトー氏が、商業宇宙旅行の先駆けとして、このミッションに参加しました。
ISSへのクルー輸送: ソユーズTM-32は、ISSへの人員輸送と、ISSでの長期滞在ミッションのサポートを行いました。
救命艇としての役割: ソユーズTM-32は、ISSに約6ヶ月間ドッキングし、第2次長期滞在及び第3次長期滞在のクルーの緊急帰還用宇宙船としての役割を担いました。
ISSのモジュール切り替え: ISSのザーリャモジュールからピアースモジュールにドッキング場所を変更しています。

ソユーズTM-32は、宇宙開発における商業化の可能性を示し、ISSの長期運用を支える重要なミッションとなりました。

外部リンク

* NASA Soyuz-33/Soyuz-32 (return) Taxi Crew

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