ソーントン (駆逐艦)

ソーントン (USS Thornton, DD-270/AVD-11)

ソーントンは、アメリカ海軍のクレムソン級駆逐艦の一隻で、後に水上機母艦として運用されました。艦名は南北戦争で名を馳せたソーントン兄弟に由来しています。1918年にマサチューセッツ州の造船所で起工し、翌年に進水。そして、1919年7月5日に就役を果たしました。

艦歴の始まり

ソーントンの就役後、最初の任務はヨーロッパへの派遣でした。1919年にアゾレス諸島を経由し、ジブラルタルに到着。その後、大西洋岸や地中海の様々な港を訪れます。1920年にはボストンに帰還し、太平洋に向かう準備を整えました。メキシコ湾の港を訪問後、パナマ運河を通過。カリフォルニア沿岸での任務が続きましたが、1922年には予備艦に指定され、長い間静養することとなります。

再就役と改装

1940年に再び就役したソーントンは、間もなく水上機母艦への改装を行うことになります。改装後、1941年に水上機母艦として新たな使命を帯びて就役しました。太平洋艦隊と密接に連携し、真珠湾などを拠点に実績を重ねました。

真珠湾攻撃

1941年の真珠湾攻撃の際、ソーントンは係留中でしたが、急速に迎撃態勢を整えました。攻撃を受けた際には、乗組員がすぐに防御のための行動を取り、他の艦艇と共に日本の航空機に対して反撃を試みました。この襲撃で幸運にも死傷者を出さずに済みました。

南太平洋での任務

その後、ソーントンは南太平洋での任務に従事します。1942年にはフレンチフリゲート瀬への偵察支援に関与し、その後も様々な島々を巡回しました。特にミッドウェー海戦後は、アラスカ方面へ向かうなど、多様な任務が続きました。

最後の任務

1943年から1945年にかけて、ソーントンは沖縄戦への編成や行動に従事しましたが、1944年に給油艦との衝突により大きな損傷を受けます。損傷修理を経て、1945年には沖縄近海で再び任務に出るも、最終的には放棄されることになりました。1945年に退役し、1957年には破棄されました。

戦功

艦艇としての活動を通じて、ソーントンは第二次世界大戦の功績として3回の従軍星章を受ける栄誉を得ました。このようにして、ソーントンの歴史はアメリカ海軍の艦艇としての誇りと戦いの証を物語っています。

参考文献

• - 秦郁彦『太平洋戦争航空史話』下、中公文庫、1995年
• - 『世界の艦船増刊第43集　アメリカ駆逐艦史』、海人社、1995年
• - M.J.ホイットレー『第二次大戦駆逐艦総覧』、岩重多四郎（訳）、大日本絵画、2000年

この記事には、アメリカ政府の著作物から引用された情報が含まれています。

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