タイム100: 今世紀最も重要な人物

タイム100：今世紀最も重要な人物とは

1999年にアメリカのニュース雑誌『タイム』が発表した「タイム100：今世紀最も重要な人物」は、20世紀に世界へ大きな影響を与えた人物100人を選出したものです。この企画は、単なる人物紹介ではなく、20世紀という時代を様々な角度から捉えようとする試みでした。

企画の始まり

この企画の発端は、1998年2月にベトナムのハノイで開催されたシンポジウムでの議論でした。ダン・ラザー（元CBSイブニングニュースのアンカーマン）、ドリス・カーンズ・グッドウィン（歴史家）、マリオ・クオモ（元ニューヨーク州知事）、コンドリーザ・ライス（当時スタンフォード大学のプロヴォスト）、アーヴィング・クリストル（批評家）、そして『タイム』誌編集長のウォルター・アイザックソンといった著名なメンバーが集まり、20世紀を代表する人物について議論しました。

選出された人物

選出された100人は、「リーダーと革命家」「科学者と思想家」「ビルダーと巨人」「アーティストとエンターテイナー」「ヒーローとアイコン」という5つのカテゴリーに分けられ、各カテゴリーから20人が選ばれました。この選出は、各界の専門家による厳正な審査を経て決定されたもので、20世紀の歴史を彩る多様な人物が選ばれています。

また、『タイム』誌の年末号では、通常の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に代わり、特別版として「パーソン・オブ・ザ・センチュリー」が選出され、タイム100の中からアルベルト・アインシュタインが選ばれました。

当初は単発の企画でしたが、大きな反響を呼んだことから、2004年以降は「タイム100」として毎年企画されるようになりました。

選出への批判

この企画は、多くの人々の関心を集めましたが、同時に批判も寄せられました。

特に、「アーティストとエンターテイナー」のカテゴリーでエルヴィス・プレスリーが選出されなかったことは、大きな議論を呼びました。『タイム』誌のブルース・ハンディーは、エルヴィスがソングライターではなかったことを理由に挙げましたが、これは多くのファンから反発を受けました。一方で、ビートルズは、模倣からスタートしつつも、常に進化を続けた点が評価され、選出されました。

また、漫画のキャラクターであるバート・シンプソンが選出されたことについても、議論がありました。ハンディーは、20世紀の文化を語る上で漫画が重要な役割を果たしていることを理由に挙げ、風刺とアニメーションを融合させた『ザ・シンプソンズ』の功績を評価しました。

さらに、ギャングのラッキー・ルチアーノが選出されたことについては、ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニをはじめとする人々から批判が寄せられました。ルチアーノは、マフィアを近代化し、全国的な犯罪組織を築いた人物として評価されましたが、その犯罪行為を美化しているという批判もありました。

オンライン投票では、プロレスラーのリック・フレアーやイエス・キリストが多くの票を獲得しましたが、企画の趣旨に合わないとして除外されました。

その後の影響

「タイム100：今世紀最も重要な人物」は、選出された人物だけでなく、その選考過程や批判も含めて、20世紀を振り返る上で重要な資料となりました。この企画は、その後の「タイム100」へと受け継がれ、毎年、世界に影響を与えた人々が選出されています。

まとめ

「タイム100：今世紀最も重要な人物」は、20世紀の歴史を彩る様々な人物を選出しただけでなく、その選出を通じて、時代や文化、そして価値観を考察するきっかけを与えてくれました。この企画は、単なるランキングではなく、20世紀という時代を多角的に捉え、未来を考える上で重要な役割を果たしています。


タイム100 - 『タイム』誌が2004年から毎年発表している、その年最も重要な人物100人の一覧。
People of the Century at TIME
* TIME 100 Persons Of The Century at TIME

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