パーソン・オブ・ザ・イヤー

パーソン・オブ・ザ・イヤーとは

パーソン・オブ・ザ・イヤー（Person of the Year）は、アメリカのニュース雑誌『タイム』が年末に発表する特集で、その年の出来事に最も影響を与えた人物、団体、または事象を選出します。この制度は1927年に開始され、年々多彩な選出が行われてきました。

始まりと変遷

始まりは、1927年に初めて選ばれたチャールズ・リンドバーグのケースからです。彼は大西洋を単独で横断した初の人物として、影響力が高く評価されました。当初は「マン・オブ・ザ・イヤー」として知られており、女性が選出される場合には「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」という名称が使用されていました。しかし、1999年には性別に関係なく選出できるように「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に改称されました。

選出される人物たち

アメリカ合衆国の大統領たちは、選出の常連です。1927年以降、そのほとんどの大統領が選ばれていますが、カルビン・クーリッジ、ハーバート・フーヴァー、ジェラルド・フォードの3人は例外です。フランクリン・D・ルーズベルトは1932年、1934年、1941年にパーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、特にその影響力が際立ちました。

その他の注目人物

女性や非欧米出身者も選出されています。インドのマハトマ・ガンディーやエチオピアのハイレ・セラシエ1世が初の非欧米出身者として選ばれ、鄧小平も二度選出されています。また、過去にはウォリス・シンプソンやエリザベス2世女王なども女性として注目されました。2020年には、国際女性デーにちなみ、過去の選出を女性に置き換えた企画もありました。

物議を醸した選出

選出には賛否が分かれることもあります。アドルフ・ヒトラーやヨシフ・スターリンといった物議を醸す人物も選出されたことから、この称号は必ずしも名誉と結びついているわけではないとされています。特に1979年には、アヤトラ・ホメイニが選ばれたことに対してアメリカで大きな反発がありました。これにより、タイム誌は物議を醸す人物の選出を控えるようになっています。

集団や物質の選出

パーソン・オブ・ザ・イヤーは個人に限らず、集団や無生物にも与えられることがあります。たとえば、アメリカの兵士や、危機にある地球なども選出された実績があります。このように、幅広い意味での影響力を考慮して選出が行われています。

読者投票

1998年からは、読者によるオンライン投票も行われていますが、最終的な選考は編集者によって決定されます。過去には組織票として支持を集めたケースもあり、その結果実際の選出には影響しないこともあります。

結論

パーソン・オブ・ザ・イヤーは、時代の流れとともに変化し、多様な選出が行われています。選ばれる人物や団体は、良くも悪くもその年に影響を与える存在として、賛否を呼ぶことも少なくありません。これからも、その時代の顔を象徴する存在として注目され続けることでしょう。

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