タウシュベツ山

タウシュベツ山（多牛別山）について

タウシュベツ山、または多牛別山は、北海道の河東郡上士幌町と足寄郡足寄町の境界に位置する標高1,185.1mの山です。山頂には三等三角点「多牛別」が設置されています。

概要

タウシュベツ山は石狩山地の一部であり、東大雪の山々を構成しています。具体的には、西クマネシリ岳などのクマネシリ山塊から南へ伸びる尾根の上に位置しています。国土地理院の地形図には山名が記載されていませんが、一部の登山愛好家の間では知られた存在です。

この山は源頭の山ではありませんが、西側にはタウシュベツ川が流れています。タウシュベツ川の河口に位置する糠平湖には、かつて士幌線で使用されていたタウシュベツ川橋梁があり、十勝地方有数の観光地となっています。

山名の「タウシュベツ」は、アイヌ語で「樺の木が多い川」という意味を持ちます。

登山について

タウシュベツ山には整備された登山道はありません。一般的には上士幌町側から入山します。登山口へ向かう糠平三股林道は、タウシュベツ川橋梁跡までは車でアクセス可能です。ただし、糠平三股林道のゲートの鍵は道の駅かみしほろで午前9時から貸し出されるため、早朝から林道を歩いて向かう人も少なくありません。天候が変わりやすい午後の登山は避けるのが賢明です。

タウシュベツ川橋梁跡付近からは、林道は徒歩のみとなります。林道を進みタウシュベツ川を渡ると、多有珠別林道に入り、タウシュベツ川沿いに進みます。林道には「黒珠橋」「紅珠橋」「白珠橋」など、様々な色の名前が付けられた橋が架かっています。

林道をある程度進んだところで、尾根に取り付き山頂を目指します。取り付きから山頂までは急な斜面や倒木が多く、登山経験豊富な上級者向けのコースと言えるでしょう。藪が雪に埋もれる残雪期には、糠平湖が凍結するため、対岸から湖上を歩いて多有珠別林道を目指す人もいます。

タウシュベツ山は、手付かずの自然が残る、北海道ならではの登山を楽しめる山です。しかし、登山道がないため、入山には十分な準備と経験が必要です。

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