タットル彗星

タットル彗星 (8P/Tuttle)

タットル彗星は、1858年にアメリカの天文学者ホレース・タットルによって周期彗星として認識された天体です。約13.6年の周期を持ち、2021年8月27日に近日点を通過しました。また、12月末に現れるこぐま座流星群の母天体としても知られています。

発見の経緯

タットル彗星は、1790年にピエール・メシャンによって初めて観測されました。この時の明るさは7.7等級と比較的明るく、観測しやすい彗星でした。シャルル・メシエやウィリアム・ハーシェルもこの時の回帰を観測していますが、当時は周期彗星とは考えられていませんでした。

1858年1月5日、ホレース・タットルがこの彗星を再発見しました。彼は当初、放物線軌道をとると考えましたが、1790年の彗星との類似性に初めて気づきました。その後、同年2月後半にはジェームズ・クレイグ・ワトソンによって楕円軌道であることが明らかにされました。

2008年の接近

2008年のタットル彗星の接近に伴い、2007年のこぐま座流星群は例年よりも活発になると予想されました。しかし、実際には流星電波観測国際プロジェクトによる観測では、2006年とほぼ同程度の活動レベルにとどまりました。

特徴

軌道

タットル彗星の軌道は、周期13.6年、軌道長半径5.7 auです。軌道離心率が0.82と非常に大きいため、近日点距離は1.03 au、遠日点距離は10.4 auと、太陽からの距離が大きく変動します。

過去と未来の近日点通過

過去の近日点通過日:

1790年1月31日
1803年11月15日 (観測されず)
1817年5月27日 (観測されず)
1830年12月15日 (観測されず)
1844年7月4日 (観測されず)
1858年2月24日
1871年12月2日
1885年9月11日
1899年5月4日
1912年10月28日
1926年4月28日
1939年11月10日
1953年7月4日 (観測されず)
1967年3月31日
1980年12月14日
1994年6月25日
2008年1月27日
2021年8月27日

今後の近日点通過日:

2035年4月18日
2049年1月21日
2062年11月23日
2076年8月24日
2090年3月5日
2103年9月28日

接触連星

2008年1月にアレシボ天文台で行われたレーダー観測により、タットル彗星は接触連星のような構造をしていることが明らかになりました。彗星核の直径は約4.5kmと推定され、3kmから4kmの直径を持つ球と同程度の体積であると考えられています。

関連項目

周期彗星の一覧

外部リンク

8P/Tuttle - JPL Small-Body Database
タットル彗星 - 小惑星センター
吉田誠一のホームページ

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