タッパンジー・レコード

タッパンジー・レコード：フュージョン音楽の灯火

タッパンジー・レコードは、1970年代後半から1980年代にかけて、フュージョン音楽シーンに独自の彩りを添えたレコードレーベルです。ピアニスト、作曲家、そしてプロデューサーとして知られるボブ・ジェームスによって設立され、数々の才能あるアーティストを世に送り出しました。

誕生と発展

1975年、ボブ・ジェームスはCTIレコードでガボール・ザボのアルバムをプロデュース。同年にはCBSのA&Rディレクターに就任し、エリック・ゲイル、ケニー・ロギンスらのプロデュースも手掛けました。CTIとの契約終了後、1977年にCBSレコード内に自身のレーベル「タッパンジー」を発足。「タッパンジー」という名前は、彼がよく利用したニューヨーク州のタッパン・ジー・ブリッジに由来します。スティーブ・カーンの「タイトロープ」を皮切りに、ボブ自身の作品も「Heads」から「12」までがタッパンジーからリリースされました。

1980年にはCBSから独立し、「タッパンジー・レコード」として本格始動。ウィルバート・ロングマイヤー、リチャード・ティー、カーク・ウェイラム、フィル・ペリーらを迎え、レーベルは隆盛を極めます。この際、CTI時代に発表したボブ・ジェームスの初期4作品もタッパンジーのカタログに加えられました。

グラミー賞受賞と転換期

1980年にアール・クルーとの共作「One on One」をリリース。翌1981年にはグラミー賞を受賞し、レーベルの評価を確固たるものとしました。しかし、1985年にボブ・ジェームスがワーナー・ブラザース・レコードに移籍すると、タッパンジーのカタログ販売権もワーナーへ移行。1993年にはビデオアーツミュージックから再発売されました。ワーナー時代に発表されたアルバムにはタッパンジーのマークが入ったものもありましたが、これはレーベルではなく、プロダクションユニットを示すものとされています。

現在

2003年にワーナーとの契約が終了。現在は、ボブ・ジェームスの新作リリース契約と同様に、旧譜の販売契約が国ごとに結ばれています。日本での販売元はビクターエンタテインメントです。

参加アーティスト

タッパンジー・レコードには、以下のようなアーティストが参加しました。

ボブ・ジェームス
リチャード・ティー
カーク・ウェイラム
ジョアン・ブラッキーン
モンゴ・サンタマリア
フィル・ペリー
マーク・コルビー
アレン・ハリス・バンド
ウィルバート・ロングマイヤー
他

タッパンジー・レコードは、短期間ながらもフュージョン音楽史に大きな足跡を残しました。ボブ・ジェームスの才能と、彼が集めた優秀なミュージシャンたちの情熱が、数々の名作を生み出したのです。その音楽は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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