タンゴエクスプローラー

タンゴエクスプローラー：大阪と丹後を結んだ特急の記憶

タンゴエクスプローラーは、かつて北近畿タンゴ鉄道（KTR）とJR西日本が、新大阪駅と福知山駅・宮津駅・豊岡駅の間を、東海道本線・福知山線・北近畿タンゴ鉄道宮福線・宮津線を経由して運行していた特急列車です。

概要

北近畿ビッグXネットワークを構成する列車の一つとして、主に大阪から天橋立のある宮津市や京丹後市など、京都府北部へのアクセスを担っていました。1990年4月1日にJR宮津線が北近畿タンゴ鉄道に移管された際、当初は嵯峨野線・京都駅発着で舞鶴線・北近畿タンゴ鉄道に直通する特急として運転を開始しました。

1999年10月2日の舞鶴線電化に伴い、福知山線経由で新大阪駅を発着する「タンゴディスカバリー」と車両・運行系統が入れ替えられ、以降は新大阪駅発着の特急として運行されました。2011年3月12日のダイヤ改正で、特急「こうのとり」（当時は「北近畿」）に編入される形で、電車で運行されていた「文殊」と共に廃止されました。

列車名は、丹後半島の観光活性化への願いを込め、英語で探検家を意味する「explorer」を組み合わせたものです。

廃止直前の運行概況

2010年3月13日のダイヤ改正時点では、以下の2往復が運行されていました。

1・4号：新大阪駅 - 豊岡駅（北近畿タンゴ鉄道経由）
3号：新大阪駅発福知山駅行き
2号：宮津駅発新大阪駅行き

全列車が福知山駅で、京都駅発着の特急「きのさき」または「タンゴディスカバリー」と接続していました。

停車駅

新大阪駅 - 大阪駅 - 尼崎駅 - 宝塚駅 - 三田駅 - （新三田駅） - （相野駅） - 篠山口駅 - （谷川駅） - 柏原駅 - （黒井駅） - 福知山駅 - 大江駅 - 宮津駅 - 天橋立駅 - 野田川駅 - 丹後大宮駅 - 峰山駅 - 網野駅 - 木津温泉駅 - 久美浜駅 - 豊岡駅

※（ ）内の駅は一部列車のみ停車

谷川駅・黒井駅：2・3号のみ停車
新三田駅・相野駅：3号のみ停車
1・4号は宮津駅でスイッチバック

使用車両・編成

全列車がKTR001形気動車で運行され、全車両が普通車でグリーン車の連結はありませんでした。通常は3両編成で運行され、2・3号は3号車も自由席でした。土日祝日や多客期には2編成を連結した6両編成で運行されることもありました。

車両故障時には、KTR8000形気動車や183系電車が代走することもありました。

臨時列車

カニのシーズンである12月から2月の土日祝日には、臨時列車「味めぐりタンゴエクスプローラー」が1998年度まで運行されていました。この列車は主に宿泊客向けで、土曜日に京都発網野行き、日曜日に豊岡発京都行きとして、北近畿タンゴ鉄道経由で運転されていました。

沿革

1990年4月1日：京都駅発着の舞鶴線・北近畿タンゴ鉄道直通特急として運行開始
1999年10月2日：「タンゴディスカバリー」と運転区間を入れ替え、新大阪駅発着に変更
2005年4月25日：JR福知山線脱線事故の影響で一時運休
2007年3月18日：KTR001形気動車のATS-P対応工事完了により、同車両での運転を再開。全車禁煙化
2011年3月12日：ダイヤ改正により廃止

参考文献

寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0
今尾恵介・原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 8号・近畿』新潮社、2010年。ISBN 978-4-10-790042-5

関連項目

タンゴディスカバリー

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