タンジョン・パガー駅 (マレー鉄道)

タンジョン・パガー駅は、かつてシンガポールに存在したマレー鉄道の駅です。マレー語では「Stesen Keretapi Tanjung Pagar」、英語では「Tanjong Pagar railway station」、中国語では「丹戎巴葛火车总站」と表記されます。シンガポール駅、またはケッペル・ロード駅とも呼ばれていました。

この駅は、シンガポールとマレーシアを結ぶマレー鉄道において、シンガポール領内における唯一の旅客取扱駅でした。しかし、シンガポールとマレーシアの出入国管理機能がウッドランズ・トレイン・チェックポイントに移転することになり、2011年6月30日をもってその役目を終えました。

歴史

タンジョン・パガー駅の歴史は、1903年1月1日にフォート・カンニング・ヒルの西南麓に最初のシンガポール駅が開業したことから始まります。その後、1907年1月21日にはタンク・ロードに面したタンク・ロード駅に移転しました。現在の場所であるケッペル・ロードに面したタンジョン・パガー駅が開業したのは、1932年5月3日のことです。これは、ブキッ・ティマ駅以南の線路が付け替えられたことによるものでした。

なお、この駅の北東約1.5キロメートルには、MRT（Mass Rapid Transit）の同名駅であるタンジョン・パガー駅が存在します。

駅構造

タンジョン・パガー駅は、地上駅であり、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持っていました。終着駅としての役割を担っていたため、ホームは櫛形に配置されていました。駅舎はホームの東側に位置しており、北側の到着ホームが単式、南側の出発ホームが島式でした。出発ホームは中央が格子柵で仕切られており、内側が出発ホームとして使用されていました。また、到着線と出発線の間には、機回し線が1本設けられていました。

出発ホームの終端側には、マレーシアの国境検問所があり、マレーシアへの入国審査と税関手続きが行われていました。ただし、1998年8月から2011年6月30日の最終営業日まで、マレー鉄道におけるマレーシアとシンガポールの出入国手続きは変則的なものでした。この詳細については、ウッドランズ・トレイン・チェックポイントに関する記事の「かつての変則的な出入国取扱」を参照してください。

その他

シンガポール領土内にあるにもかかわらず、マレー鉄道の敷地、線路、駅などの施設は、マレーシア政府が全額出資する鉄道資産公社が所有していました。運営と運行は、シンガポール政府の委託を受けたマレーシア鉄道公社が行っていました。

2010年5月24日の両国首脳会談で、2011年7月までに駅を移転することが決定されました。その結果、シンガポール側の終着駅は2011年7月1日に、国境に近いウッドランズ・トレイン・チェックポイントに移転しました。

タンジョン・パガー駅から発着していた豪華列車イースタン＆オリエンタル・エクスプレスは、ウッドランズ・トレイン・チェックポイントに受付やラウンジを設置することができなかったため、受付とラウンジをラッフルズ・ホテル内に移転し、そこからバスで移動する方法に変更されました。

関連項目

シンガポールの鉄道
マレー鉄道

外部リンク

* Tanjong Pagar Railway Station

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