タンバパンニ王国

タンバパンニ王国

タンバパンニ王国（シンハラ語: තම්බපණ්ණිය රාජධානිය）は、スリランカにおいて最初のシンハラ人の王国であり、紀元前543年から紀元前437年までの間、存続していました。この王国は、スリランカの歴史書『マハーワンサ』においてウィジャヤの名と共に、その創設が語られています。ウィジャヤは彼の仲間たちと共に、この土地に上陸し、タンバパンニを首都として国を構えました。

国名の由来

タンバパンニという名称は、サンスクリット語の「Tāmraparṇī」または「Tāmravarṇī」の影響を受けています。この語は、南インドのタミル・ナードゥ州を流れるタミラバラニ川を指し、意味は「銅色」を表しています。ウィジャヤがスリランカに到達した際、赤土の影響で手足が銅色に染まったため、この名称がつけられたとされています。上陸地の名前が伝わる中で、タプロバーナと呼ばれ、古代ギリシアにも影響を与えました。

歴史的背景

紀元前600年以前のスリランカの記録は少なく、遺跡や墳墓が発見されているものの、詳細な情報はほとんどありません。『マハーワンサ』に従うと、シンハラ人の移住以前には、伝説上の種族であるヤカとナーガがこの地に住んでいたとされます。シンハラ人の歴史の始まりは、紀元前543年にウィジャヤが上陸したことに遡ります。伝説では、ウィジャヤは海岸に到着した際に、土地に口づけし、ライオンの描かれた旗を立ててタンバパンニと名付けたとされています。

タンバパンニ王国の成り立ち

タンバパンニ王国は、ウィジャヤと彼の700人の従者によって基盤が形成されました。彼らはマンナールと呼ばれる地域に上陸し、そこからチラウと思われる地域で国を築きました。興味深いことに、ウィジャヤの上陸は仏陀の入滅と同じ日であったとされています。当初、王国はタンバパンニを首都として定め、その名は次第にこの島全体を指すようになったのです。

王国の支配はヤカの女王クヴェニによって行われており、その首都はシリーサヴァットウとして知られていました。その後、ウィジャヤによって、タンバパンニから新たな首都、ウパティッサガマが築かれました。この都市はタンバパンニの北約12キロメートルに位置し、ウィジャヤの重臣ウパティッサによって建設されたものでした。

後継者問題と王の死

ウィジャヤの治世の終わりには、彼は後継者を選ぶことに苦慮しました。そのため、シンハプラに手紙を送り、スミッタを呼び寄せることを決定します。しかし、運命的に、その手紙が届く前にウィジャヤは崩御しました。このため、宰相であったウパティッサが王国を引き継ぐことになり、彼の治世は約1年間続きました。

まとめ

タンバパンニ王国は、スリランカにおけるシンハラ人の歴史の重要な一ページを形成する国であり、その文化や伝説は現在においても研究や考察の対象となっています。上陸伝説や王の物語は、スリランカの民族的アイデンティティに深く根付いています。

もう一度検索