ダイナフェアリー

ダイナフェアリー（1983年4月30日 - 2015年1月28日）は、日本の競馬史に名を刻む競走馬にして、優れた繁殖牝馬でした。数々の重賞競走を制覇し、さらに多くの優秀な競走馬を産み出したその生涯は、まさに輝かしいものでした。

競走馬時代、ダイナフェアリーは1986年、京成杯、牝馬東京タイムズ杯と立て続けに重賞タイトルを獲得します。翌1987年には、オールカマー、エプソムカップ、新潟記念と主要重賞を3勝。その活躍は、同期に名を連ねた名牝メジロラモーヌ、そして同父同馬主のダイナアクトレスと比較検討されるほどでした。特にダイナアクトレスとは、いわば“ダイナ”の二大牝馬として、互いに切磋琢磨し、競馬界を盛り上げました。

3歳でデビューし、初戦を勝利で飾ると、続く3歳牝馬ステークスではメジロラモーヌに敗れはしたものの2着と好成績を収めます。4歳を迎えると、京成杯で皐月賞馬ダイナコスモスや後のマイル王ニッポーテイオーを破る大金星。その後、桜花賞では17着と大敗を喫しますが、4歳秋には古馬を相手に牝馬東京タイムズ杯を制し、重賞2勝目を挙げます。さらに、ダイナアクトレスの戦線離脱という状況下、メジロラモーヌの牝馬三冠阻止という大役を担う形で、エリザベス女王杯に出走し4着という健闘を見せました。

5歳以降も中距離重賞路線で活躍を続けました。エプソムカップを制覇したのを皮切りに、新潟記念、オールカマーと連勝を重ねます。通常であれば天皇賞（秋）へと繋がるローテーションでしたが、ダイナアクトレスがマイル戦で世界レコードを樹立し天皇賞（秋）へ進んだため、ダイナフェアリーはスワンステークスを経てマイルチャンピオンシップへと駒を進めます。そこでニッポーテイオーの5着に敗れた後、競走馬を引退、繁殖牝馬へと転身しました。

繁殖牝馬としては、類まれな繁殖能力を発揮しました。サマーサスピション、ローゼンカバリーといった重賞優勝馬を輩出したことはもちろん、2007年の繁殖引退までに15頭もの産駒を送り出しました。さらに、その孫、曾孫の世代にも重賞勝ち馬が多数輩出され、その血脈は現代競馬においても大きな影響を与え続けています。ダイナフェアリー自身は、繁殖引退後も功労馬として北海道で余生を送り、2015年1月28日、老衰のため天寿を全うしました。その死後も、セプテンバーソングの曾孫であるルヴァンスレーヴがチャンピオンズカップを制覇するなど、その血統は競馬界に大きな足跡を残しています。

ダイナフェアリーの血統背景には、重賞勝ち馬を多数輩出した名家ならではの血統が流れています。従姉には、ダイナマイン（重賞2勝）、ダイナシュート（重賞3勝）がおり、その産駒にもJRA賞最優秀障害馬ブロードマインドや、高松宮記念優勝馬アドマイヤマックスといった名馬が名を連ねています。

競走馬としての華麗なる活躍、そして優れた繁殖能力で競馬界に多大な貢献を果たしたダイナフェアリー。その名は、これからも競馬ファンの記憶に深く刻まれ続けることでしょう。

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