ダイハツ・ビーゴ

ダイハツ・ビーゴ：小型SUVのグローバルモデル

ダイハツ工業がトヨタ自動車との共同開発によって生産・販売していた小型SUV、ビーゴ。2006年1月の日本市場への投入を皮切りに、世界各国で展開されたこのモデルは、ダイハツの小型SUVラインナップにおいて重要な役割を果たしました。

開発とネーミング

ビーゴは、ダイハツの既存モデルであるテリオスの後継車種として開発されました。トヨタ自動車との協業により生まれた姉妹車、トヨタ・ラッシュと共に、市場に送り出されました。車名は、日本と中国大陸でのみ「Be-go」として使用され、「be（ある・いる）」から「go（出る・行く）」への変化、すなわち生活や意識の変化をもたらすほどの積極的な行動を促すクルマというコンセプトが込められています。一方、それ以外の地域ではテリオスの名称を継承し、テリオスの2代目モデルとして販売されました。興味深いのは、インドネシアではテリオスベースの独自モデルであるタルーナの後継としてビーゴが導入された点です。

多様なボディバリエーションとグローバル展開

ビーゴは、地域によって異なるボディバリエーションを展開していました。日本仕様車は2WDと4WDが用意され、インドネシアではホイールベースを延長した3列シート7人乗り仕様が生産されました。この7人乗りモデルは、東南アジア、南アジア、中東、アフリカ、中南米といった幅広い地域で販売され、グローバルモデルとしてのビーゴの地位を確立しました。さらに、マレーシアのプロドゥア社からも、プロドゥア・ノーティカとして販売されていました。

生産拠点とOEM供給

ビーゴの生産は、日本国内ではダイハツ九州大分工場、その後はダイハツ工業池田工場で行われていました。インドネシアのアストラ・ダイハツ・モーターでは7人乗りモデルを生産。さらに、ベネズエラではトヨタ・デ・ベネズエラがノックダウン生産を行っていました。トヨタ・ラッシュへのOEM供給も行われ、トヨタブランドでもビーゴの技術と品質が提供されました。

メカニズムと特徴

ビーゴは、ビルトインラダーフレーム式モノコックボディを採用していました。これは、モノコックボディに補強用のフレーム構造を一体化させたもので、高い剛性と安全性を両立しています。エンジンは直列4気筒DOHCガソリンエンジンを搭載。駆動方式はFRと4WDで、日本向けFRモデルにはローダウンサスペンションが標準装備されていました。トランスミッションは4速ATと5速MTが用意され、日本向けのATモデルはインパネシフト、それ以外のモデルはフロアシフトを採用するなど、地域や仕様によって差異がありました。

販売期間と販売終了

2006年の発売から2016年3月まで販売されたビーゴは、2012年にはマイナーチェンジを実施。その後、2WD車の販売終了を経て、2016年には4WD車の販売も終了、日本市場におけるダイハツの普通車登録SUVは一旦消滅しました。累計販売台数は21万3444台に上り、その人気ぶりを示しています。ビーゴの後継モデルとしては、2019年11月に発売された2代目ロッキーが挙げられます。

主要グレードとトヨタ・ラッシュとの違い

主要グレードとしてはCX SpecialとCX Limitedが設定されていました。姉妹車であるトヨタ・ラッシュとの違いは、発売当初は背面スペアタイヤカバー、2008年以降は車名ロゴ左側のCIマークなどに現れていました。また、マイナーチェンジ以前は、上位グレードの装備がラッシュでは標準装備であるのに対し、ビーゴではオプションとなっていた点が挙げられます。

まとめ

ダイハツ・ビーゴは、ダイハツとトヨタの技術協業によって生まれたグローバルな小型SUVでした。多様なボディバリエーション、世界各国への展開、そしてOEM供給など、その存在感は大きかったです。販売終了後も、その人気と存在感は、後継モデルであるロッキーにも受け継がれていると言えるでしょう。

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