トヨタ・ラッシュ

ラッシュ (Rush)

ラッシュは、ダイハツ工業が製造し、トヨタ自動車が東南アジア市場向けに展開する小型SUVです。日本国内では2016年まで販売されており、ダイハツ・ビーゴの姉妹車として知られています。ここでは、ラッシュの歴史や特徴、モデル展開について詳しく解説します。

初代 J2型（2006年 - 2016年）

初代ラッシュは2006年にダイハツのビーゴをベースに発売されました。特に、キャミの後継機として位置付けられています。2WDはJ200E型、4WDはJ210E型と呼ばれ、駆動方式にはFR（後輪駆動）とフルタイム4WDが採用されています。この車両の特徴は、直列4気筒のDOHCエンジンと、4速ATや5速MTのトランスミッションが搭載されていることです。

ラッシュのボディは、特にビルトインラダーフレーム方式を採用しており、モノコック構造にラダーフレームを組み合わせているため、強度が増すと共に軽量化も図られています。特にインドネシアで生産された7人乗りミニバンであるダイハツ・セニアやトヨタ・アバンザのボディを基にして開発されました。

ボディの特殊設計により、乗員7人を収容できる設計が可能となり、特に家族旅行やアウトドアシーンでの利用に適しています。また、発売から間もない2006年には、目標の4倍となる約6,000台を販売したことが、好調なスタートを印象づけました。

主なモデルチェンジ

• - 2008年1月: 一部改良が行われ、外装色の選択肢が増えました。
• - 2010年7月: 特別仕様車「X Smart Edition」が登場し、価格の引き下げが図られました。
• - 2012年4月: 再度の一部改良により、新たな装備が追加されました。
• - 2014年末: 新車登録台数が累計で9万556台に達しました。
• - 2016年2月: 生産が終了し、在庫販売に移行しました。日本市場での直接的な後継車は2019年に登場したライズです。

2代目 F800/F850型（2018年 - ）

2代目のラッシュは、初代と同様にダイハツ・テリオスのOEMで構成されており、2列5人乗りと3列7人乗りが選択可能です。トヨタ・アバンザのプラットフォームを基に日本で開発され、1.5Lエンジンを搭載し、更にFR（後輪駆動）レイアウトを採用しています。特筆すべきは、テールゲートのスペアタイヤ収納方法が変更され、車底部に収められるようになった点です。

発売と展開

2017年11月にインドネシアで初めて公開され、2018年に他の国々へと販売が広がりました。フィリピンやアラブ首長国連邦、南アフリカ、ジャマイカ、コロンビアなど多くの国で展開され、グレードに応じた座席配置も多彩に選べるようになっています。

車名の由来

ラッシュという名称は「勢いよく進む」という意味を持ち、 SUVとしてのダイナミックさを象徴しています。日常の利用やアウトドアなど、多様なシーンでの活用が期待されている車両です。

関連情報

ラッシュの関連車種には、OEM元のダイハツ・ビーゴをはじめ、トヨタ・キャミやトヨタ・ブリザード、実質的な後継車スバラシを持つトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーがあります。これらのモデルは、SUV市場における競争力を高める役割を果たしています。

ラッシュは、軽快さや多機能性を求める消費者にとって魅力的な選択肢であり、今後の展開にも注目です。

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