ダニー・クラーク

ダニー・クラーク（Danny Clark、1951年8月30日- ）は、オーストラリア・タスマニア州ローンセストン出身の元自転車競技選手です。1974年にプロ入りし、46歳となる1997年まで現役を続けました。

経歴

アマチュア時代には、ミュンヘンオリンピックの1kmタイムトライアルで銀メダルを獲得しました。

いつも髭をたくわえていた風貌が特徴的な選手であり、特に6日間レースでの実績が際立っています。パトリック・セルキュに次ぐ歴代2位の74勝（通算勝率:0.3149）をマークしました。中でも、トニー・ドイルとのコンビで通算19勝を挙げており、このコンビとしての勝利数は歴代3位です。

世界自転車選手権では、1980年に始まったケイリンの初代優勝者となり、翌1981年も制覇しました。その他、ドミフォンでも2度優勝しています。

また、国際競輪にも参加した経験があります。

1980年世界選手権ケイリン決勝のエピソード

1980年の世界選手権ケイリン決勝では、クラークは常に誘導員（デルニーバイク）のすぐ後ろに位置していました。誘導員のペースが最初から非常に速く、誘導退避地点付近では時速60km近いスピードが出ていたと考えられます。これは競輪で言えば、ゴール直前のトップスピードにほぼ匹敵する状態です。そのため、最終周回に入っても後続の選手たちは追走に必死で、一列棒状の隊列のままでした。クラークの逃げ切りが濃厚に見られていました。

しかし、バックストレッチ付近で藤巻清志選手が兄の藤巻昇選手を連れて捲りを仕掛け、ついに最終コーナー付近でクラーク選手を捲り切りました。ところが、清志選手は捲り切ったところで力尽きてしまい、クラーク選手が直線で差し返して初代世界選ケイリン王者に輝きました。

地元フランスのマスコミは、クラーク選手の優勝よりも、ハイスピードの中で一度は捲り切った藤巻清志選手の走りを「信じられない！」と驚嘆しました。「ベストルーザー」という言葉があるならば、この時の清志選手はまさにそのような扱いを受けました。

外部リンク

ダニー・クラーク - サイクリングアーカイヴス（英語）
ダニー・クラーク - Olympedia（英語）

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