ダム鎮

ダム鎮、チベット語でའགྲ་མ་（ダマ）といい、樟木鎮（ショウモクチン）またはヅァンムー鎮とも呼ばれるこの町は、チベット自治区シガツェ市ニャラム県に属しています。ネパール語ではカサ（Khasa）とも呼ばれ、ヒマラヤ山脈の南麓、ネパールとの国境に位置し、その海抜は2,300mです。ラサからは736km、ネパールの首都カトマンズからは150kmの距離にあります。

自然

ダム鎮は、年平均気温が20℃と温暖で、ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候に分類されます。年間降水量は2,000～3,000mmと多く、雨季は3月から10月にかけてです。チベットの他の地域と比較して、ダムは標高が低く、降水量も多いため、周囲は原始林に覆われています。この豊かな自然がダム鎮の特徴の一つです。

交通

ダム鎮へのアクセスは、主にG318国道（中尼公路）を利用します。ラサ方面からの公共交通機関は限られているため、通常は車をチャーターするか、ツアーに参加することになります。一方、カトマンズからは、アラニコ・ハイウェイが開通しており、国境のネパール側の町であるシンドゥ・パルチョーク郡コダリまでバスが運行されています。将来的には、ラサからダムを経由してカトマンズまで鉄道を延伸する計画があり、2014年にはラサ・シガツェ鉄道が開通し、シガツェまで延伸されました。2018年には、ネパールの首相が中国を訪問し、シガツェとカトマンズを結ぶ鉄道建設について合意したと報じられています。

経済

中国政府の統計によると、ダム口岸での貿易総額は、1966年には約1,000米ドルでしたが、2004年には約1億米ドルに達しました。これは、2004年にチベット全体で取引された貿易総額の50%を占めています。ダム鎮の住民の70%以上は、第二次産業と第三次産業に従事しており、町には貿易会社が約20社、インドやネパールの商品を取り扱う商店が約100店舗あります。さらに、税関、銀行、出入国管理事務所、公安などの行政機関も町に存在します。これらの要素が、ダム鎮が交易の要衝として発展した背景を物語っています。

観光

2015年に発生したネパール地震の影響で、ダム鎮への観光客の立ち入りは現在禁止されています。再建には3年ほどの期間が必要とされています。しかし、ダム鎮はかつて、多くの旅行者やバックパッカーが訪れる場所でした。その理由は、チベットからネパールやインド方面へと抜ける街道の要衝に位置し、ネパールとの国境が古くから開放されていたからです。

主な見どころ

立新原始森林景区: ダム鎮から約3km離れた場所に位置する、シェルパ居住区の一つです。ここでは、ユキヒョウ、ハヌマンラングール、ヒマラヤタールなどの野生動物が生息しており、豊かな自然を満喫することができます。
中尼友誼橋: チベット（中国）とネパールの境界に架かる長さ65mの橋です。この橋は、両国間の友好の象徴とされています。

その他

ダム鎮は、歴史的にチベットからネパールやインド方面への重要な街道の要衝として機能してきました。古くからネパールとの国境が開かれていたため、多くのバックパッカーがこの地を訪れてきました。この背景には、地理的な要因だけでなく、両国間の文化的な交流も影響していると考えられます。

関連項目

ラサ・シガツェ鉄道

外部リンク

Zhangmu town tourist information（英語）

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