ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ

「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」は、シンガーソングライター松任谷由実が作詞・作曲した楽曲です。この曲は、女優・原田知世に提供されたもので、彼女が主演を務めたミュージカル『マクドナルドミュージカルあしながおじさん』の主題歌として制作されました。

原田知世のシングル

原田知世によるシングルは、1983年7月25日に彼女の4枚目のシングルとしてリリースされました。このシングルは、ミュージカルのプロデューサーである橋爪貴志子の依頼を受けた角川春樹が、松任谷由実に制作を依頼したことがきっかけで生まれました。

通常、メジャーレコード会社から発売されることが多い楽曲ですが、「ダンデライオン」は角川レコードから発売されました。これは、当時としては珍しい試みでした。販売方法も独特で、ミュージカルの公演劇場での販売に加え、東映ビデオの協力により全国のレコード店やビデオソフト販売店でも販売されました。また、新星堂でも予約販売が行われました。ミュージカル『あしながおじさん』のパンフレットと原田知世の写真集とのセットで、定価1000円で販売されたことも特徴的です。角川映画の『時をかける少女』上映館でも同様のセット販売が行われました。

角川レコードが自社からレコードを発売するのは初の試みであり、ミュージカルの音楽担当が角川レコード、主演女優の所属が角川春樹事務所であったことから、テストケースとして行われたものでした。レコード盤はクリア（透明）レコード仕様という珍しいものでした。初回プレス枚数は12万枚でした。

オリコンチャートには、原田知世版「ダンデライオン」の記録は掲載されていません。

収録曲は以下の通りです。

Side A: ダンデライオン
作詞・作曲：松任谷由実、編曲：松任谷正隆
アルバム『バースデイ・アルバム』には「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」として収録
Side B: 守ってあげたい
作詞・作曲：松任谷由実、編曲：松任谷正隆

松任谷由実のシングル

松任谷由実自身のシングルは、1983年8月25日に東芝EMIから19枚目のシングルとしてリリースされました。1989年6月28日にはCDシングルとして再リリースされています。15枚目のオリジナルアルバム『VOYAGER』にはalbum mixが収録されており、2018年にリリースされた配信もalbum mixとなっています。

ジャケットはハードジャケットで、初回盤にはステッカーが封入されていました。また、電話で新曲が聴けるテレフォンジョッキーも行われました。「時をかける少女」も原田知世への提供曲であり、同年公開の映画『時をかける少女』の主題歌として制作されました。

このシングルの累計販売数は17万枚を記録しました。

オリコンチャートでは、登場週数15週、最高順位は週間9位、累計17.1万枚のセールスを記録しています。

収録曲は以下の通りです。

Side A: ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ (single mix)
Side B: 時をかける少女 (single mix)
作詞・作曲：松任谷由実、編曲：松任谷正隆

参加ミュージシャンには、ドラムの林立夫、ベースの高水健司、ギターの松原正樹や鈴木茂、吉川忠英などが名を連ねています。キーボードは松任谷正隆、シンセサイザー・プログラミングは浦田恵司、パーカッションは斎藤ノブ、ストリングスは日色ストリングスが担当しました。その他、ハープやサクソフォーン、コーラスなど、豪華なミュージシャンが参加しています。

カバーバージョン

「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」は、数多くのアーティストによってカバーされています。

ジェニー・ツェン（1984年、広東語版「你的遲來」）
A.S.A.P（1991年）
安達祐実（1994年）
堀ちえみ（2005年）
ジェイク・シマブクロ（2007年）
bice（2008年）
徳永英明（2015年）
奥井雅美（2018年）
広瀬愛菜（2020年）
上白石萌音（2021年）
* JUJU（2022年）

その他

オルゴールサウンドは、かつてさくら銀行（現：三井住友銀行）のコールセンターで、コミュニケーター応対時の電話保留音として使用されていました。

「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」は、時代を超えて愛される、松任谷由実の代表的な楽曲の一つと言えるでしょう。

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