ダンピア海峡

ダンピア海峡：パプアニューギニアの要衝

ダンピア海峡は、パプアニューギニアのウンボイ島とニューブリテン島の間に位置する海峡で、ビスマルク海とソロモン海を結ぶ重要な水路です。その位置は南緯5.6度、東経148.2度に位置し、ダンピール海峡とも呼ばれます。ウンボイ島とニューギニア島の間にはヴィティアス海峡が位置しています。

名前の由来と探検の歴史

この海峡の名前は、イギリス人探検家のウィリアム・ダンピアに由来します。彼は1700年にこの海峡を初めて航海したヨーロッパ人であり、西オーストラリアからニューギニア島の北側を通り、ニューアイルランド島、ニューブリテン島へと航海する中でこの海峡を発見しました。

領土の変遷と世界大戦

第一次世界大戦

1883年、クイーンズランド州政府は東パプアの併合を宣言しましたが、これは後にイギリス帝国によって否定されました。1884年には、ドイツ帝国がニューギニア島東半分の北側とニューブリタニア諸島を併合し、ニューブリタニア諸島をビスマルク諸島と改名しました。

第一次世界大戦が勃発すると、1914年にオーストラリア軍がドイツ領ニューギニアを占領し、戦間期にはヴェルサイユ条約に基づき、国際連盟委任統治領としてオーストラリアが管理しました。

第二次世界大戦

第二次世界大戦中、日本軍はヴィティアス海峡を含むニューブリテン島とニューギニア島の間の海域をダンピール海峡と呼んでいました。1942年3月8日には、日本軍がフォン湾沿岸のラエとサラマウアに2つの大隊を上陸させ、ダンピア海峡とヴィティアス海峡を制圧しました。

1943年3月2日から3日にかけて、ニューギニア島へ向かう日本軍の輸送船団がビスマルク海からダンピア海峡近辺の海域で連合国軍航空隊の攻撃を受け、全滅しました。この海戦では約3000名の将兵が戦死し、日本側からは「ダンピールの悲劇」と呼ばれています。

1943年12月には、アメリカ軍がニューブリテン島に上陸し（グロスター岬の戦い）、1944年2月12日にはダグラス・マッカーサー将軍がルーク島（ウンボイ島）を抵抗を受けることなく占領したと発表しました。第1海兵師団B中隊は上陸用舟艇でダンピア海峡を渡りました。

戦後

第二次世界大戦後、オーストラリア管理の信託統治を経て、1975年にパプアニューギニアが独立を果たしました。

ダンピア海峡は、その戦略的な位置から歴史的に重要な役割を果たしてきました。現在では、パプアニューギニアの重要な海路として、その美しい自然とともに注目されています。

もう一度検索