ダーリウィリアン

ダーリウィリアン階の概要

ダーリウィリアン（英: Darriwilian）は、国際層序委員会によって認識された地質学的総称であり、地質時代名の一つとして位置付けられています。この時代は、約4億6730万年前から4億5840万年前の期間を指し、中期オルドビス紀の後半にあたります。そのため、前の期はダーピンジアン、次の期はサンドビアンとなります。また、日本語ではダリウィル期という呼び名でも知られています。最も重要なことは、このダーリウィリアン階の基底はフデイシの一種であるUndulograptus austrodentatusの初出現によって定義されていることです。

名称の由来

ダーリウィリアンという名称は、1899年に地質学者であるトーマス・サージェント・ホールによって提唱されました。彼はこの名前を、オーストラリアのビクトリア州に位置するダーリウィル教会区に由来させました。この地域での地層研究を通じて、歴史的な地質スポットとしての重要性が浮き彫りになったのです。

GSSP（国際標準模式層）

ダーリウィリアン階の国際的な基準を定めたモデル断面（GSSP）は、中国の浙江省常山県近くに位置する黄泥塘村の黄泥塘セクションにあります。具体的には、北緯28.8539度、東経118.4897度の地点で、主に黒色頁岩で構成されるNingkuo累層の露頭がその地点に当たります。階の基底として位置付けられるフデイシの種Undulograptus austrodentatusが存在するため、ここがその重要な基準となっています。さらに、Arienigraptus zhejiangensisという別の示準化石もこの層で見つかっています。スコットランドやウェールズの層序区分では、ダーリウィリアンはArenigやLlanvirnに相当する部分が見られ、ダーリウィリアンの基底はArenigのフェニアン階の層準に対応することができます。

生物層序とその意義

ダーリウィリアン階の基底はU. austrodentatus帯の基底でもあります。このゾーンは北大西洋のコノドントであるMicrozarkodina parva帯よりも上層に位置し、北アメリカのコノドントHistiodella altifrons帯の真上に該当します。U. austrodentatusゾーンは世界各地で確認されており、そのため、ダーリウィリアン階の基底を比較検討する際に非常に便利です。

地層の分布と化石帯

地層の分布においては、タイ王国南部のサトゥーン県からダーリウィリアンからカティアンまでの3つの化石帯が報告されています。一方、マレーシアのランカウイ群島からは、ダーピンジアンからカティアンまでを含む4つの化石帯が見つかっています。これらの地層は、ダーリウィリアン階やその関連階層の広がりを示す証拠となっています。

このように、ダーリウィリアン階は地球の歴史における重要な時代であり、その定義や基準となる化石が示す層序は、地質学的研究において極めて価値が高いと言えます。

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