「ダーリン」(Darlin')は、
ザ・ビーチ・ボーイズが
1967年に発表した楽曲で、
ブライアン・ウィルソンと
マイク・ラヴによって作詞作曲されました。この楽曲は、当初、
ブライアン・ウィルソンが友人のダニー・ハットンが結成したグループ「レッドウッド」に提供する予定でしたが、最終的に彼らのバージョンは発表されませんでした。
1967年12月18日に
シングルA面曲としてリリースされ、B面にはアルバム『
ペット・サウンズ』に収録されていた「ヒア・トゥデイ」が収録されました。また、この楽曲は同時に発売されたアルバム『ワイルド・ハニー』にも収録されています。リード・ボーカルは
カール・ウィルソンが担当しました。
レッドウッドはその後、
1968年に
スリー・ドッグ・ナイトとグループ名を改めました。
「ダーリン」は、
1968年2月3日から
2月10日にかけて、2週連続でビルボード・Hot 100の19位を記録しました。イギリスでは同年に「カントリー・エア」をB面に据えて発売され、チャートの11位にランクインしました。
この楽曲は、
1964年に
ブライアン・ウィルソンと
マイク・ラヴがシャロン・マリーのために書いた「Thinkin' 'Bout You Baby」の改作です。この原曲はいくつかのコンピレーション・アルバムに収録された後、
2003年2月7日に発売された『Pet Projects: The Brian Wilson Productions』に収録されました。
発表当時はステレオ・ミックスは制作されませんでしたが、40年以上経った2012年にベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ デラックス・エディション ~偉大なる50年~』に収録される際に初めて作成されました。ステレオ・ミックスは編集の違いにより、都合3つのバージョンが存在します。
『グレイテスト・ヒッツ デラックス・エディション ~偉大なる50年~』に収録された最初のステレオ・ミックスでは、1分57秒付近のカールのリード・ボーカルが欠落していました。2013年発売の『カリフォルニアの夢』には、その部分を復活させたバージョンが収録されましたが、モノラル・バージョンと同様の編集が施されており、「Darlin'」の「D」の発音が欠落していました。2017年発売の『1967 - サンシャイン・トゥモロウ』では、モノラルで欠落していた「D」の部分も復元され、全体のエコーが薄められるなど、モノラル・バージョンの質感に近づけられています。
「ダーリン」はコンサートの定番曲となり、『ビーチ・ボーイズ '69 (ライヴ・イン・ロンドン)』、『ビーチ・ボーイズ・イン・コンサート』、『ライヴ・アット・ネブワース 1980』など、数多くのライブ・アルバムに収録されています。
主なカバー・バージョン
ペーパー・ドールズ - 1968年のアルバム『ペーパー・ドールズ・ハウス』に収録
ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス - 1971年のアルバム『Summertime』に収録
シュガー・ベイブ - 1974年7月11日に読売ホールで行われた公開録音コンサートで演奏
デヴィッド・キャシディ - 1975年のアルバム『青春のポートレート』に収録
トリアンヴィラート - 1978年のアルバム『A la Carte』に収録
山下達郎 - 1983年4月発売の
シングル「
高気圧ガール」のB面として発表。翌年、アルバム『BIG WAVE』に収録
ザ・ペンフレンドクラブ - 2014年のアルバム『Sound Of The Pen Friend Club』に収録
シー&ヒム - 2020年5月11日、メンバーのズーイー・デシャネルとM・ウォードがそれぞれ自宅で演奏した映像をミックスして配信
ドラマ内での使用
アメリカのシチュエーションコメディドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のシーズン9 第10話で使用されています。