チャモロ人

チャモロ族の紹介

チャモロ族（チャモロぞく、Chamorro）は、ミクロネシアのマリアナ諸島に住む先住民です。彼らは独自の文化や言語を持ち、その歴史は非常に古いものです。まず、チャモロという名称の由来についてですが、スペイン語で「刈り上げた」や「はげ」という意味を持つ言葉に由来しています。チャモロ族は、外部の人々に対しては「タオタオ・タノ」と自称していた時代もありました。

歴史的背景

チャモロ族の歴史は非常に古く、グアム島には紀元前3000年から東南アジア系の移住民が住み着いていたと考えられています。この移住民たちが、チャモロ族の祖先にあたるとされています。その証拠として、ラッテ・ストーンと呼ばれる遺跡が存在しており、これはチャモロ文化の重要な象徴となっています。

さらに、チャモロ語はミクロネシア諸語の中に位置づけられず、スンダ・スラウェシ語群に属しています。チャモロ人は遺伝的に多くのミクロネシアの人々とは異なり、島嶼部東南アジアに見られるハプログループE（mtDNA）を多く持っている点が特徴です。これは、チャモロ人が主にスラウェシ島などから移住してきたことを示唆しています。

スペインとの接触と人口の変化

スペイン人との接触が始まった17世紀以前には、チャモロ族の人口は4万人から6万人に達していたとされています。しかし、1710年の人口調査では、グアム島とロタ島の人口が3539人にまで減少してしまいました。この急激な人口減少の背景には、スペイン人による殺戮や天然痘などの疫病が影響していると考えられています。

領土を整理するため、スペインはメキシコ人やフィリピン人を移住させ、労働力を補充しました。その結果、彼らとの混血が進んだため、 pureなチャモロ族はほとんど存在しなくなったと言われています。それでも、現在でもチャモロ語は広く使用されており、共通語としての英語と共に重要な役割を果たしています。

社会構造

チャモロ族の社会は主に母系制のクランによって構成されています。このような親族組織には、深い歴史と伝統があります。家族や親族の絆が非常に大切にされており、コミュニティ全体が密に結びついています。また、彼らの文化や儀式には、自然や祖先を尊重する要素が多く見られます。

結論

チャモロ族は、ミクロネシアの豊かな歴史を持つ先住民族であり、彼らの文化や言語は現在でも大切に守られています。過去の厳しい歴史を乗り越え、チャモロ族の伝統は現代にも息づいています。

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