チャールズ・C・ギルバート

チャールズ・チャンピオン・ギルバート（Charles Champion Gilbert、1822年3月1日 - 1903年1月17日）は、アメリカ合衆国の軍人です。彼は、米墨戦争と南北戦争という二つの重要な戦争でそのキャリアを築きました。特に南北戦争では、北軍の将軍として戦い、一時的に軍団指揮官を務めたことで知られています。

生い立ちと初期の軍歴

ギルバートは、オハイオ州ゼインズビルで生まれました。1846年に陸軍士官学校を卒業し、同期にはジョージ・マクレラン、ストーンウォール・ジャクソンといった、後に南北戦争で名を馳せる多くの将軍たちがいました。卒業後、ギルバートは米墨戦争に従軍し、ベラクルスやメキシコシティでの戦闘に参加しました。その後、テキサス州で2年間勤務し、1850年にはウェストポイントの士官学校で教官を務めるなど、多様な軍務経験を積みました。その後、西部辺境任務にも就いています。

南北戦争での活躍

南北戦争が勃発すると、ギルバートは第1アメリカ歩兵連隊の大尉に任命され、ウィルソンズ・クリークの戦いに参加しました。この戦いで負傷しましたが、その後もシャイローの戦いやコリンスの包囲戦でオハイオ軍の監察長官として任務を遂行しました。1862年、南軍のハートランド攻勢（ケンタッキー方面作戦）が激化する中、ギルバートは大きな転機を迎えます。ウィリアム・“ブル”・ネルソン将軍が率いるケンタッキー軍がオハイオ軍に合流し、その第3軍団となった際、ネルソン将軍が殺害されるという事態が発生します。この時、軍団指揮官を誰も引き受けなかったため、オハイオ軍管区の指揮官ホレイショ・G・ライト少将が、法的な裏付けがないまま、大尉であったギルバートを少将「代行」に昇進させ、軍団指揮を任せるという異例の措置を取りました。これにより、ギルバートは一躍軍団の指揮官となったのです。

ペリービルの戦いとその後の評価

ギルバートが指揮官となった第3軍団は、ペリービルの戦いで南軍の最後の攻撃を阻止し、南軍の1個旅団を撤退させるという成果を上げました。しかし、この戦いにおけるギルバートの行動は、戦闘における遅さや規律の厳しさから批判を浴びることもありました。兵士たちの中には、彼の厳格な態度に反感を抱く者も少なくなかったようです。その後、ギルバートは9月9日に遡って正式に准将に昇格しましたが、この昇格は合衆国乗員で確認されることがなく、1863年3月4日には失効しました。

戦争終結と晩年

准将の地位を失ったものの、ギルバートは第19アメリカ歩兵連隊で少佐に指名され、正規軍の名誉大佐となり、コネチカット州ハートフォードの憲兵司令長官補として戦争の残りの期間を過ごしました。その後も辺境任務に就き、1886年に退役しました。1903年、メリーランド州ボルティモアで亡くなり、ケンタッキー州ルイビルのケイブヒル墓地に埋葬されました。なお、北軍のサミュエル・A・ギルバート准将は彼の兄弟です。

チャールズ・チャンピオン・ギルバートは、その軍歴の中で数々の重要な局面に関わりました。特に南北戦争では、大尉から軍団指揮官という異例の昇進を経験し、ペリービルの戦いでは重要な役割を果たしましたが、その後の活躍は限定的でした。彼のキャリアは、軍人としての能力だけでなく、当時の軍隊の状況や人事制度の複雑さを示すものとして、歴史の中で語り継がれています。

参考文献:
Eicher, John H., and Eicher, David J., Civil War High Commands, Stanford University Press, 2001, ISBN 0-8047-3641-3.
Noe, Kenneth W., Perryville: This Grand Havoc of Battle, University Press of Kentucky, 2001, ISBN 978-0-8131-2209-0.

外部リンク:
* Photo Gallery of General Gilbert

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