チューリップ白書

チューリップ白書

『チューリップ白書』は、日本のロックバンド、チューリップのベストアルバムで、1988年10月1日にリリースされました。このアルバムは、LP、CD、カセットテープの形式で販売されましたが、2022年現在では廃盤となっています。ただし、2020年1月までは日本コロムビアによるオンデマンドCDとして入手可能でした。

アルバムの概要

このアルバムは、バンドがレコードレーベル「TRIAD」に在籍中に発表された唯一のベストアルバムです。収録されている曲は、LP版、CD版、カセットテープ版で異なる収録曲数を持っており、特にバンドのスタイルの変遷を反映しています。ジャケットデザインは灰色の背景に「TULIP」という文字が斜めに配置されており、シンプルでありながら印象的なビジュアルです。このフォントは翌年のアルバム『Well』でも使用されています。オンデマンドCD版では、ジャケットの背景は青みがかっています。

収録曲と構成

収録内容は、EXPRESSレーベル時代の楽曲が半数以上を占めている一方で、本アルバムのために書かれた新曲「ガラスごしのI LOVE YOU」が1曲が収録されています。この新曲は特に注目されており、ファンにとって入手が難しい貴重なトラックとなっています。一方、ファンハウス時代の曲は一切収録されておらず、これはファンにとって残念な点かもしれません。

1988年秋にはバンドの解散が話し合われていたと言われていますが、このアルバムの発表時には、既にバンドの未来についての考えが進行していたと推測されます。特に、新曲「ガラスごしのI LOVE YOU」は、活動を共にする丹野義昭を除くメンバーの宮城伸一郎と高橋裕幸によるものであり、財津和夫との関わりが薄れつつあった時期でもあります。また、音楽ライターの田家秀樹によるライナーノーツは、バンドの終焉を予感させる内容であり、ファンにとっては寂しい思いを抱かせるものだったとされています。

収録曲一覧

• - LP版 収録曲 (SIDE A):

1. 魔法の黄色い靴
2. 心の旅
3. 青春の影
4. サボテンの花
5. 悲しきレイン・トレイン
6. 虹とスニーカーの頃

• - LP版 収録曲 (SIDE B):

1. さよなら道化者
2. Shooting Star
3. モーニング・スコール
4. 抱きあって
5. 真っ赤な花と水平線
6. ガラスごしのI LOVE YOU (新曲)

• - CD版とカセットテープ版では、若干異なる曲構成があります。

このように、『チューリップ白書』は音楽的に重要な位置づけを持った作品であり、ファンにとっても特別なアルバムであることが伺えます。

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