チョナン派

チョナン派：歴史と教義、そして現代の復興

チョナン派（ཇོ་ནང་）は、チベット仏教における学派の一つです。12世紀にカギュ派から派生した6つの僧団から、さらに14世紀に派生しました。「チョナン」という名前は、本拠地としたチョモナン寺院に由来します。

起源と発展

チョナン派の師祖とされるのは、ユモ・ミキョ・ドルジェです。彼は時輪タントラを修めた人物であり、トルポパ・シェーラプ・ギェルツェンによれば、クンパン・トゥクジェ・ツォンドゥーから遡ること7代前の師にあたります。カギュ派自体もヒンドゥー教の影響を受けていましたが、チョナン派はさらに独自の道を歩み、「他空説」を定式化しました。

他空説とは

他空説とは、アートマン（真我）の存在を認めているとも解釈できる思想であり、大乗仏教においては異端と見なされることもありました。ドルポパは『A General Explanation of Buddha’s Teaching』を著し、仏教の核心的な意味を明らかにする「他空説」を初めて提唱しました。

衰退と閉鎖

17世紀、ダライ・ラマ5世が即位すると、彼の支持母体であるゲルク派（黄帽派）が勢力を拡大しました。その結果、チョナン派は弾圧を受けることになります。著述家であり最後の大学匠となるターラナータの死後、チョナン派の全ての僧院は閉鎖され、関連する書物は焚書に処されました。チョモナン寺院もガンデン・プンツォクリンと改名され、その歴史に幕を閉じました。

現代の復興

しかし、チョナン派の灯は完全に消えたわけではありませんでした。近年、ダライ・ラマ14世の協力のもと、チョナン派の復興運動が起こっています。チョモナン寺院も再建され、再びチョナン派の教えが広まりつつあります。

関連情報

初回放送日: 2021年3月6日 NHK「天空チベット タンカ絵師の郷」で紹介

参考文献

D.スネルグローブ、H.リチャードソン 著、奥山直司 訳『チベット文化史』（新装版第1刷）春秋社、2011年。ISBN 978-4-393-11309-7。

外部リンク

Jonang Foundation
Jonang Foundation Blog
Tibetan Buddhist Rime Institute - Holder of Kalachakra Jonang
History of the Jonang Tradition - International Kalachakra Network
Main Takten Phuntsok Choeling Monastery, Shimla
Jonangpa in Russia
Jonang Dharma Association
Jonang Dharma Channel

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